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アマダイで深まる父子の絆

[ 2016年12月11日 05:30 ]

良型アマダイを手にした陽大くん                               
Photo By スポニチ

【根ほり葉ほりおじゃま虫ま~す】平塚・庄三郎丸
  味のプロの腕前は――。過日、平塚・庄三郎丸で行なわれたバリバス杯スポニチ・アマダイ釣り大会に都内にある日本を代表する超有名ホテルの調理部有志御一行様が参加した。ベテランも初心者も和気あいあいと特大狙いの一日を過ごした。(スポニチAPC 町田 孟)

 ◎超有名ホテル調理部有志がバリバス杯スポニチ釣り大会参加
 総勢10人。仕切っていたのは調理部の次長、下川明宏さん(56)だ。「マダイ、カツオ、スルメもやる」。約20年のキャリアを持つ。「こんなのも」。ひょいと見せてくれたスマホ画面には29キロのマグロと一緒の姿が。茅ケ崎市在住で、かなりの手だれ。まとめ役にはうってつけだ。

 ホテルの従業員は2000人を超え、釣友会という組織もある。調理部は350人ほどの所帯。釣友会とは別に月一で同好の士が気軽に集まる。「メンバーは25人ぐらい。女性も5人いる。強制しないし参加自由。16人ほどがレギュラーかな」。月例は、ほとんどの場合、仕立て船になるという。神経を使うサービス業。新鮮な空気の下、人を気にせず過ごせるアロマ的空間といえるのかもしれない。

 ずらりと並んだ腕自慢?に交じった父子ペアは海老名裕光さん(43=入間市)と陽大くん(10)だ。海老名さんはレストラン調理課長兼シェフ。料理の出来栄えはもちろん接客にも目を光らせる立場だ。重責から解き放たれることも時には必要だ。釣りは約1年前から“修業”に入った。

 「以前はブラックバス。今は海にはまってユーチューブなどで研究している」。勉強の効果か、小型ながら早々と1匹仕留めて余裕を見せた。だが、この後、手前マツリに悩まされて大苦戦することになる…。

 4人きょうだいの末っ子、陽大くんを同行させるのは6回目。「上のヤツは釣りにあまり興味を示さなかった」。ものは試しにと誘ったところ、すっかりとりこに。これまでカサゴ、サバなどに挑戦してきた。サッカー、空手も習っているが特に「釣りが好き」。やる気満々。気合が入り過ぎたのか途中、竿先2カ所を折ってしまう大ピンチに見舞われた。ところが災い転じて福。はやり言葉で言えば神っていた。それまでノーヒットだったのに、中型を2匹ゲット、父超えを果たしてしまった。釣りに夢中なのは「「親友にしか打ち明けていない」。おそらくこのてん末はクラス中に広まるだろう。

 海老名さん、焦るのなんの。「まだ足りない。おまえも頑張れ」。盛んにハッパをかける。家では真理夫人(42)、長男・光希くん(19)、次男・龍次くん(16)、長女・結愛=ゆめ=さん(11)が待っている。6人の大家族。食料調達も楽ではないのだ。料理は自ら腕を振るうこともある。メニューは「ごく一般的」。プロ仕様とまではいかないそうだ。もちろん味は保証付き。

 光希くんは料理の専門学生。最近「陽大も料理人になりたいって言いだして」。この先どう変わるか分からない。が、父の背中を見てくれているのは確か。目尻がうれしさを物語っている。

 何年後になるだろか、子供たちの腕前を見るのは。

 ◎女性2人も検討
 ○…いずれがアヤメかカキツバタ。紅2点が健闘した。松田憂さん(24=横浜市)は「小学校のころから父に連れられて」。キャリア17年の“ベテラン”だ。ダイビングを始め「海関係のことは何でもやる」。おまけにバイクまでと超アウトドア派。「数は出すけれど」。サイズには自信がなさそうだったが、ミヨシに陣取り36センチで船別2位に。小川はるかさん(22=横浜市)は釣り歴3年ながら「一昨年、40センチ超」をものにしたそうだ。柳の下のオオアマを狙ったが前半は大苦戦。やっと終了近くなって35・5センチを上げて笑顔が戻った。

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