ギャンブル依存とは? 「よしの病院」河本院長に聞く 水原氏は大谷の隣で葛藤?
ドジャース・大谷翔平の通訳を務める水原一平氏が、スポーツ賭博に多額の金をつぎ込んでいた。水原通訳は20日の開幕戦後のクラブハウスで「私はギャンブル依存症」と話したとの報道もある。ギャンブル依存症とは一体どのようなものか。
東京都町田市の精神科専門病院「よしの病院」河本泰信院長によると、ギャンブル依存症は「精神障がいの一つ」という。「脳への器質的な病変はなく精神疾患とは異なりますが、適切な介助や支援が必要」と語る。ギャンブル依存症の症状については9項目ほど挙げられているが、最も問題となるのは、負けを取り戻そうと賭け続ける「負け追い」だ。
「ギャンブルを楽しむことは何の問題もありません。興奮を味わったり、ストレスを解消することもあるでしょう。しかし、どうにかして取り戻さないといけないと思う負け追いは楽しくない。追い詰められて苦痛です。それでも賭け続けてしまうのは精神的に障がいがある」と指摘した。
陥りやすい人には「今の自分に対して悔しい気持ちを持っている人、過去の悔しいことを引きずっている人、過去に栄光があった人」などを挙げる。「悔しい気持ちを取り戻したい。自分ならできると思う。お金を増やすためではない。依存症の人は当たってもさほどうれしくはない」と解説した。
治療法にはカウンセリングのほか、ギャンブルに代わる行動に取り組む認知行動療法などがある。家族や周囲の人は安易に借金を肩代わりしてはいけないという。弁護士や法的機関に相談したり、医療機関を受診させることが必要となる。河本院長は「水原氏はそばにいるスーパースターと自分を比べ葛藤もあったのでは」と推測した。
≪ガーシー被告も告白≫ギャンブル依存症を告白した著名人には元参院議員のガーシー(本名・東谷義和)被告(52)がいる。コロナ禍に入り、ギャンブルで4~5億円の借金を作ったことが発端となり、YouTubeで芸能人らの暴露投稿を開始。収益を得るようになった。暴力行為法違反(常習的脅迫)など5つの罪に問われ、東京地裁から懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役4年)の有罪判決を言い渡された。また、元関脇の貴闘力氏は現役時代からのめり込んだギャンブルで、総額5億円を失った経験を告白。最大で2億円の借金を抱えていたという。
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