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ガーナ セルビア人監督が祖国を撃破!

[ 2010年6月15日 06:00 ]

ガーナを率いて祖国セルビアを撃破したライェバッチ監督

 【W杯1次リーグD組 ガーナ1―0セルビア】アフリカ大陸初開催のW杯でアフリカ勢として白星一番乗り。後半40分に決勝PKをゴール左に蹴り込んだガーナのFWギャンは「スタンドの観衆に感謝している。アフリカのすべての人が後押ししてくれた。“この勝利はあなたたちのもの”と伝えたい」と笑った。

 大黒柱のMFエシエン(チェルシー)が右ひざ負傷で大会欠場と大きな不安を抱えた。この日の初戦もMFムンタリ(インテル・ミラノ)を太腿裏の負傷で欠いた。苦戦は覚悟。しかし、母国セルビアとの対戦となったライェバッチ監督のチームづくりが実を結んだ。
 元U―21ドイツ代表ながら父親がガーナ出身MFのK・ボアテングをW杯へ招集。出場2戦目の23歳はMFアナンとともに中盤を引き締めた。最終ラインとの連係でスペースを埋め、体を寄せた守備で無失点。チームは終盤のPKで難敵を沈めた。
 「職業として見れば偉大な勝利だ。しかし、セルビアに対して申し訳ないという気持ちもある」
 敵将アンティッチ監督や多くの相手選手と面識があるというライェバッチ監督は複雑な表情で振り返った。しかし、それは正しい準備を進めてきたという証明でもある。
 出場登録23人の平均年齢24・17歳は出場32チームで最年少。故障者が続出した1月のアフリカ選手権はチームの底上げを図るため昨年のU―20W杯優勝メンバーを大量に登用し、予想外の準優勝と結果を残した。今大会も5人がメンバー入り。この日先発したのは20歳のMFのA・アユー1人だったが、前回W杯経験者で決勝PKを決めたギャンは「団結したチーム」と手応えを口にした。
 前回決勝トーナメントに進んだ3チームに強豪セルビアを加え、混戦必至と言われたD組で「ブラック・スターズ」と呼ばれるガーナが輝いた。

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2010年6月15日のニュース