【コラム】城彰二

遠藤とは違う 田中碧の積極性が出た先制点

[ 2024年3月22日 09:00 ]

2026年W杯北中米大会アジア2次予選B組   日本1-0北朝鮮 ( 2024年3月21日    国立 )

<日本・北朝鮮>前半、ゴールを決め喜ぶ田中(撮影・小海途 良幹)
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 田中の良さが出た先制点だった。攻撃が持ち味のボランチで、積極的にペナルティーエリア内に入っていく。得点の場面は前に行く姿勢と、シュートのうまさから生まれたもので、守備的な位置取りをする遠藤とは違う特長が出た。前田の持ち味も忘れてはいけない。左サイドでボールを奪い切り、上田を起点にした先制点。粘り強くボールを追う前田がいたからこそ生まれたものだった。

 勝ち点3を取れたことは大きかったが、課題は後半、北朝鮮にロングボールを使われて押し込まれたこと。谷口を入れて3バックに変更して守り切ったが、苦しい時間帯が続いた。もう一つの課題は追加点が取れなかったこと。後半に相手が前線からボールを奪いに来て、ボールをつなげなくなると、日本らしさが出せなくなった。守備を固められると個では崩せても、組織では崩せていない。前半の堂安がGKと1対1になった場面などで決めていれば、もう少し楽な展開になったはずだ。(城彰二=元日本代表FW・スポニチ本紙評論家)

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