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中沢、闘莉王、長友…魂で守り抜いた!

[ 2010年6月15日 06:00 ]

<日本・カメルーン>ゴール前で相手選手と激しくヘディングで競り合う中沢

 【W杯1次リーグE組 日本1―0カメルーン】試合終了の瞬間、ピッチ上で誰よりも体を揺らして喜びを表現したのは06年ドイツ大会にも出場したDF中沢だった。カメルーンのパワープレーをクリアするだけの苦しい終盤に耐え、1点のリードを守って悲願の勝利。失点続きで心配された守備陣が、魂で守り抜いた。

 残り15分は苦しかった。得点を狙うカメルーンがパワープレーを仕掛け、ピンチの連続。後半32分には中沢が体を寄せてボールをはじき、39分には闘莉王が頭で大きくクリアした。前回大会の初戦オーストラリア戦では残り9分で3失点を喫し、逆転負けの悪夢。その後、一度は代表引退を決めた中沢がピッチに戻ってきたのは「あのオーストラリア戦のリベンジをしたい」という思いからだった。苦い記憶を思い出させる状況だったが、悪夢を払しょくした。
 4月7日のセルビア戦から4連敗を喫し、失点はオウンゴール3点を含む9。「まずは守備ありき。先に失点はしたくない」(中沢)とまずは失点を避けるため、慎重なプレーから入った。イングランド戦、コートジボワール戦で立て続けにオウンゴールを献上した闘莉王は攻撃参加を自重。セットプレー以外は守備に専念した。試合後にはピッチにひざまずき、神に感謝の祈りをささげた。
 3トップの右に張るカメルーンのFWエトオを止めたのは、左サイドバックの長友。「仕事をさせなかったんじゃないかな。前を向かせないということを意識していた」とエースを完封した。W杯は初出場だが「絶対に負けたくなかった」と気持ちが入っていた。誰もが守備の役割をこなし、日本で初めての初戦勝利に貢献した。

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2010年6月15日のニュース