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「金を払え!」臨時雇用の警備員が“暴徒化”

[ 2010年6月15日 06:00 ]

臨時雇用の職員が“暴徒化”し、騒然とするダーバン・スタジアム周辺。19日には日本―オランダ戦が行われるが…

 13日にドイツ―オーストラリア戦が行われたダーバン・スタジアムで、試合終了2時間後、警備を担当していた臨時雇用の職員300人が「金を払え!」と叫んで“暴徒化”した。

 ケガ人や逮捕者は出なかったが、デモ鎮圧にあたった約100人の武装警官が催涙弾2発を発射するなど周囲は騒然。スタジアムに隣接する駐車場では一時、コンクリート片や石が飛び交った。
 事件の背景にあるのは過酷な労働条件。職員の1人、ファナク・ファラケブエングさんは「1500ランド(約1万8000円)もらえるはずだったのに、支給されたのは190ランド(約2280円)だった」と怒りをぶつけた。労働12時間で時給は190円。国内の平均時給(412円)に比べても極端に低く、ヨハネスブルクのスタッフは日給500ランド(約6000円)と“地域格差”もあるという。さらに、帰宅のための交通機関が準備されていなかったことも騒ぎを大きくした要因になった。
 ある職員は「朝7時に家を出て夜中の1時まで働いた。それなのに4時間も歩いて帰らねばならない」と待遇面への不満を爆発。19日に日本―オランダ戦が行われる同スタジアムは大きな問題を抱えることになった。

 ▼R・ムコンドW杯広報委員長 抗議行動が試合観戦に及ぼす影響はほとんどない。組織委員会は今後、このようなトラブルが起こらないように努力するだろう。

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2010年6月15日のニュース