【スポニチスカウト部(6)】帝京・西崎桔平 名門復活の鍵握る大型二刀流

[ 2024年3月19日 06:00 ]

投打ともにチームの柱の帝京・西崎(撮影・村井 樹)
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 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自の目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第6回は、帝京(東京)の投打の柱・西崎桔平内野手(3年)。名門復活を託された投打二刀流の主将の魅力に迫る。

 春夏通算26度の甲子園出場を誇り、全国制覇も計3度。言わずと知れた名門・帝京だが、最後に甲子園へ出場したのは11年夏だ。10年以上も甲子園から遠ざかっている名門復活の鍵を握っているのが、大型ショートの西崎だ。打っては強力打線の3番を任され、投げては最速142キロを誇る主将は「夏こそ甲子園を決めて、帝京高校をまた強いものにしていきたい」と今夏に懸ける思いを語った。

 長いオフだった。昨秋は1次予選で二松学舎大付に敗れ、都大会進出を逃した。昨春、10年ぶりに東京王者となり名門復活を印象付けていたからこそ「先輩たちが強い帝京を取り戻してくれたのに情けない気持ちでいっぱいだった」と西崎。今オフは「覚悟の冬」と位置付け、徹底的に体をいじめ抜いた。

 オフの日でも一人、午後10時ごろまでウエートトレーニングに励むことを日課とし、「紅白戦でのホームランが増え、投手としてはストレートの強さが出てきた」と成長を実感。「自分の体に何が必要なのか調べて食べるようにした」と食事も見直した結果、体重は昨秋から6キロの増量に成功した。

 西崎にとって今夏、どうしても甲子園へ行きたい特別な思いもある。前任の前田三夫監督(現名誉監督)の退任に伴い、金田優哉監督が就任したのが21年秋。現3年生は金田監督が初めて3年間、指揮する選手となり「何とか結果を残したいという気持ちは強いです」と、金田監督への熱い思いを明かした。

 今春の選抜には中学時代に所属した佐倉シニアから八戸学院光星(青森)の注目左腕・洗平比呂(3年)ら多くの選手が出場しており「悔しいという気持ちしかないですよね」と本音も漏れた西崎。今夏こそ名門復活を果たすため、「打つ方ではチャンスで一本、投げる方では140キロ台後半を出して“やっぱり帝京強いな”と思われる結果を残したい」と力強く誓った。(村井 樹)


 ≪貴さん&元杉谷氏OB“帝京魂”アピール≫ OBでタレントの石橋貴明や元日本ハムの杉谷拳士氏らの影響もあり、帝京野球部を象徴する言葉が「帝京魂」。西崎は「帝京魂というのは勝負に対しての強い心です」と解釈してプレーしている。ただ、自分たちの活躍で帝京の名を全国にアピールすることが大切だとも感じ「野球部に所属している自分たちの力で“帝京魂”という言葉を知ってもらえるようになりたい」と力を込めた。

 ☆球歴 高洲小1年から野球を始め、千葉高洲中時代は佐倉シニアに所属。帝京では1年夏からベンチ入りし前チームから主軸を担う。憧れの選手はソフトバンク・今宮

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