DeNA大貫「投げる哲学者」継承?「雨に勝ってこそ男」で3度目の登板へ

[ 2024年3月11日 16:10 ]

あす12日の登板に向け調整するDeNA・大貫(球団提供)
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 DeNAの新選手会長、大貫晋一投手が「投げる哲学者」の魂を継承?

 右腕はあす12日のヤクルト戦(横浜)に先発予定。開幕ローテーション入りへの調整となるが、当日は雨予報だ。「僕は(今年)ここまで3の3(3回登板で3度)で天気が良くない。照る照る坊主をつくらないと」と苦笑いしたが、それイコール「雨男」という定義には異論を唱えた。

 大貫と同学年で親友でもある前DeNAの今永昇太投手(カブス)が唱えた「雨男」の定義が心に残っているからだ。「某、海を渡った方(今永)が、“雨の中で勝たないと雨男ではない”とおっしゃっていたので、その偉大な哲学者に近づけるように、僕も雨の中で勝ちたいと思います」と続けた。

 22年にはともにチーム最多11勝をマーク。「投げる哲学者」と呼ばれた左腕の取り組みも、間近で見てきた。エースが去った今、大貫はその穴を埋める覚悟はできている。

 だが少し時間がたつと…、大貫は首をかしげた。「やっぱり、彼(今永)は“雨の中で勝つ”だけど、僕はまず“雨に勝つ”で。雨に勝って(晴れて)こそ男である、の哲学で」と力説し、ニヤリと笑った。

 すべての哲学をそのまま踏襲するだけでは面白くない。社会人卒6年目にあるプライドが、「雨男」の定義を今永流からアレンジさせるに至った。

 「雨に勝ってこそ男」。まるで禅問答のようだが、大貫が持つ美学も「投げる哲学者」の精神に値する。オープン戦3度目の登板。「雨に勝つ」ために右腕はあすの早朝から空をじっとにらみ続ける。
 (大木 穂高)

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