ソフトBモイネロは開幕ローテ“内定” 来日8年目の初先発で省エネ61球、4回1失点

[ 2024年3月11日 06:00 ]

オープン戦   ソフトバンク1―1ロッテ ( 2024年3月10日    ZOZOマリン )

<ロ・ソ>先発したモイネロ(撮影・長久保 豊)
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 “シン・モイネロ”がベールを脱いだ。今季から先発に転向するソフトバンクのリバン・モイネロ投手(28)が10日、ロッテとのオープン戦で新スタイルの投球を披露した。制球を意識し、打たせて取る投球で4回を無四球で3安打1失点。適応能力の高さを見せつけ、開幕ローテーション入りにも“内定ランプ”をともした。

 安定感を感じさせる投球だった。モイネロも満足した表情を浮かべた。1軍初先発となるマウンドを「個人的には良かったと思います」と振り返った。

 直球の最速は151キロで4回を投げて1奪三振。日本球界7シーズンで306試合に登板してきたリリーフ時代のような迫力は封印した。制球を意識した打たせて取る投球で3安打無四球1失点にまとめた。

 カーブ、スライダー、チェンジアップを交えて61球。「先発の役割はなるべく点を取られずに長いイニングを投げること。中継ぎの時より打たせて取る投球をしないといけない。必要な時は三振を狙った投球もするが、なるべくコンタクトさせてアウトを取る投球をしていきたい」と新たに目指すスタイルについて説明した。

 首脳陣も舌を巻く“変身”だった。力の出し入れや組み立て方なども含めて堂々のマウンドだった。倉野投手コーチは「想像していた以上でした。本当に初先発なのかというくらいの雰囲気、立ち居振る舞いだった。投球センスの高さを感じました」と高評価した。

 順調であれば確実だった開幕ローテーション入りにも“内定ランプ”がともった。小久保監督は「体力のところ以外は何の心配もしてないです」とニッコリ。「いきなりガッツリ中6日で1年間とまでは考えてはない。うまくどこかで回復させてとなるでしょうが、スタートは3月の終わりから入ってほしいと思ってます」と期待した。開幕3戦目となる3月31日のオリックス戦での先発が有力だ。

 唯一、心配されるスタミナ面もモイネロ本人は手応えを感じている。オフから先発仕様の調整、取り組みを行ってきた。2月末にブルペンで100球を超える投げ込みをした際も「マシンじゃないかというぐらい疲れはなかった」と口にした。

 この日も降板後に20球ほどブルペンで“おかわり”。「(ブルペンは)だいたい5回を投げきるイメージで投げました。もう少し疲れる感じがあるかなと思ったのですが、感覚的にも良く4回を投げ終われました」と胸を叩いた。

 最強セットアッパーとして君臨してきたモイネロ。ここから出力も上がっていく。先発スタイルでも圧巻の快投を見せてチームをV奪回へ導く。    (木下 大一)

 《長いイニングを意識し直球の割合が減少》
 ○…モイネロが投じた61球の球種内訳は、直球27球、スライダー14球、カーブ11球、チェンジアップ9球だった。この日の球種割合を昨季(カッコ内)と比較すると
 直球  44・3%(50・8%)
 スライダー  23・0%(18・3%)
 カーブ  18・0%(15・2%)
 チェンジアップ  14・8%(15・7%)
 直球の割合が減り、スライダー、カーブの割合が増えた。長いイニングを投げることを意識し、ペース配分していたことが垣間見えた。

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