広島の今季抑えは栗林 新井監督が明言「同じ場所」で昨季の雪辱に期待 4年目右腕「責任感持って」

[ 2024年3月11日 05:45 ]

オープン戦   広島0―3中日 ( 2024年3月10日    マツダ )

<広・中>広島・栗林(撮影・成瀬 徹)
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 広島・栗林良吏投手(27)が10日の中日戦に6番手で登板。オープン戦3試合目で初めて9回のマウンドに上がり、1イニングを3者凡退に抑えた。試合後に新井貴浩監督(47)が、今季のクローザーについて「9回は彼(栗林)で」と明言した。昨季は開幕直後に不調と故障が重なり、一時は矢崎が抑えを担ったが、4年目右腕は「責任感を持ってやりたい」と決意表明。シーズンを通じて役割を全うする覚悟を示した。

 3点劣勢の展開での登場。栗林は、「今日は9回に対する思いはなく、0に抑えるためにやっていた」と平常心で腕を振った。

 先頭の木下を144キロ直球で詰まらせて一飛。続くロドリゲスを133キロフォークで遊ゴロに打ち取ると、最後は代打・中島を134キロフォークで空振り三振に仕留め、9回を3者凡退で終えた。

 「春季キャンプの時から(直球の)球速が出ないから、“球速を出さないと”と試合にも臨んでいたが、今日はあまり球速は気をせず、力じゃなくてしっかり投げようと思って投げた結果が良かった。これを継続していけば良いと思う」

 自主トレで古巣・トヨタ自動車のコーチから助言を仰ぎ、今春キャンプでは投球フォームを改造。この取り組みでフォークの精度に手応えを示していた。加えて、この日は球速への意識を変えたことで、直球の精度に自信を深めた。

 投球後に待っていたのは、新井監督からの守護神を託す熱い言葉。「9回は彼(栗林)で。去年は3年目で初めて、思い通りにいかなくて、悔しいシーズンを送ったと思う。だから、こちらとしては、同じ場所で悔しさを晴らしてほしい」。雪辱への期待の大きさがうかがえた。

 昨年は3月のWBCを腰の不安で途中離脱。開幕後も状態が上がらず、5月には右内転筋の張りで登録を外れ、復帰後もセットアッパーに回った。2年連続30セーブ以上を挙げた22年までの安定感は影を潜め、自己ワーストの防御率防御率2・92、18セーブでシーズンを終了。今春は矢崎とともに抑え候補に挙がっていたが、新井監督は29日の開幕まで3週間を切ったこのタイミングで栗林を抑えにすると表明。右腕も気持ちを新たにした。

 「期待を裏切らないように頑張りたいというのが一番。やらなくちゃいけないという気持ちが一層強くなる。責任感をしっかり持って、練習からやっていきたい」

 6、7日には、侍ジャパンの一員として欧州代表との強化試合に臨み、第1戦の9回に登板。今秋のプレミア12の抑え候補でもある。広島でも日本代表でも、守護神イコール栗林。それを証明する一年にしてみせる。(長谷川 凡記)

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