【明治神宮大会】青学大を支える創部140年目で初の女性主務 昆加奈子さん「東都の思いを背負って」

[ 2023年11月18日 13:27 ]

明治神宮大会・大学の部 準々決勝    青学大8―4日本文理大  ( 2023年11月18日    神宮 )

<日本文理大・青学大>ベンチから試合を見つめる青学大・昆マネジャー(撮影・木村 揚輔)
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 東都大学野球1部の春、秋リーグ戦、6月の全日本大学野球選手権を制した青学大は明治神宮大会で「4冠」を狙う。きょう18日は日本文理大と初戦を戦い、8―4で勝利した。あす19日に準決勝を戦う。

【創部140年目で初となる大役】
 選手たちをまとめ上げるリーダーが「主将」であり、野球部の運営を担い、部外との窓口も担当するマネジャーたちのトップを「主務」という。

 創部140年目を迎えた青学大は今年2月、昆加奈子マネジャー(4年)が女性として初の主務に就任。名門を裏方として支える大役にも「新しいことに挑戦できるチャンスをもらえたとワクワクしました。不安は一切なかったです」と燃えていた。


【新型コロナウイルスの流行で大きく変わった大学生活】
 中、高一貫の聖セシリア女子(神奈川)ではソフトボールをプレー。「ピッチャーとキャッチャー以外はなんでもやりました」と野球への理解度は高かったが、決して最初からマネジャーを志望していたわけではない。「どうしても海外留学に行きたくて」と青学大を志望。学部独自の留学制度を設ける地球社会共生学部に進学するも世界的な新型コロナウイルスの流行により、海外留学は夢に終わった。

 そこで歩みを止めない強さがあった。父からの「チームに所属した方がいい」という教えもあり、2年の4月からマネジャーとして野球部に入部した。物怖じせず、誰とでも円滑にコミュニケーションを取れる能力はマネジャー業務との親和性が高かった。仕事量が増えても、こなしていけるタフさもあった。仕事への自信があったからこそ、4年で主務に指名された時も迷いなく引き受けることができた。

【集大成の明治神宮大会に挑む】
 主務になってから1年続けてきたルーティンがある。朝7時にグラウンドに行き、指導者と話してから仕事をスタートさせる。選手と指導者との架け橋になることを目指してきた。「野球ではなにも貢献できないので選手が“当たり前のことを当たり前にできる”ようにすることが私たち、マネジャーの役割と思う。いつも100%の準備を心がけています」。支えてきた選手たちはグラウンドで能力を発揮。春、秋のリーグ戦を制し、6月の全日本大学野球選手権で優勝を果たした。

 そして迎えた最後の公式戦の舞台となる明治神宮大会。昆主務は記録員としてベンチ入り。初戦に快勝した選手たちの一投一打をスコアに記した。

 「東都の代表として大会に出場している。連盟のみんなの思いを背負って戦いたいと思います」。頂点まであと2勝。主務としてのフィナーレが近づいている。(柳内 遼平)


 ◇昆 加奈子(こん・かなこ)2001年7月18日生まれ、神奈川県横浜市出身の22歳。聖セシリア女子(神奈川)時代はソフトボール部に所属。青学大では2年春に野球部のマネジャーとなり、4年春に主務に就任。青学大卒業後は商社に就職予定。

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