阪神・岡田監督と早大同期の中野正英氏「もう一度、宙を舞う姿を見たい」

[ 2023年10月12日 05:15 ]

早大の同期・中野正英氏(左)が岡田監督に贈った同監督の形をした「博多人形」(中野氏提供)

 【猛虎へのエール 中野正英氏】昨年12月には早大野球部の同期が集まり「監督就任祝いの会」を開きました。前回04年の就任のときはお祝いとしてみんなで時計をプレゼントしました。今回は仲間たちと相談して岡田監督の形をした特注の「博多人形」を贈りました。気に入るかな?と思っていましたが、喜んでくれたみたいです。また、その宴の時から“最初から優勝を狙っていくぞ”という雰囲気は十分にありました。

 今年2月は激励のため友人と沖縄キャンプにも行きました。とにかく練習には緊張感がありました。グラウンドにはピリッとした空気が流れていました。中継プレーなど一つのことを徹底的にやっており、勝つために必要なことを繰り返してやっていました。そんな雰囲気や空気を感じ、“チームが変わった”、“今年の阪神はやるな”という印象を受けました。

 当時から森下選手の打撃について「良うなるぞ!」と評価していました。また、ブルペンでは才木投手の投球を真後ろでずっと見ていました。私たちは半信半疑でしたが、実際に今シーズンの活躍や成績をみれば、岡田監督の言う通りでした。今シーズンは球場に行く機会はありませんでしたが、テレビ中継などは見ていました。

 やはり前回の監督時より年齢を重ねたこともあり、選手に対する接し方は変わったように思います。一方、確固たる自分の考えを持っているため“一度言ったことは変えない”ところは昔から変わっていません。また、時折、一部の選手にはコーチやマスコミを通じて厳しい言葉を投げかけていることを目にします。ただ、厳しいメッセージを送る相手はすべて将来ある主力選手。そこからは岡田監督の愛情を感じます。

 我々、早大野球部の同期は22人います。岡田監督は同級生の誇りです。みんな“岡田が頑張っているから、俺もまだまだ”と常に刺激をもらっています。私も負けずに今も指導者として白球を追っています。岡田監督にはぜひとも悲願の日本シリーズ制覇を成し遂げてほしいです。もう一度、宙を舞う姿を見たいです。今年12月にも仲間たちと集まる予定です。その宴が「日本一達成の祝勝会」となることを願っています。

 ◇中野 正英(なかの・まさひで)1957年(昭32)5月27日生まれ、福岡県出身の66歳。福岡大大濠から早大に進み、81年に福岡大大濠の監督就任。81年夏に森山良二(現ソフトバンク3軍監督)を擁して甲子園初出場初勝利。84年には選抜大会に初出場。監督退任後の10年からは総監督。現在は同校の硬式野球部OB会長。

 ▽早大時代の岡田彰布 76年春に入学。1年生の秋から左翼の定位置をつかみ、2学年上の法大・江川卓からの3安打で注目を集めた。2年生の春から三塁手。3年生の78年秋には3冠王に輝いて9季ぶり優勝に貢献。4年時は主将を務めて79年春には2季連続優勝。大学4年間は88試合で打率・379、20本塁打、81打点で、打率と打点はいまも東京六大学リーグ記録として残る。77年秋から5季連続でベストナイン。

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