楽天監督退く石井一久氏「ただ一点、優勝できなかった」SDとして「微力ながらサポート」

[ 2023年10月12日 14:58 ]

退任会見に臨んだ楽天・石井監督
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 楽天の石井一久監督(50)が12日、仙台市内の楽天モバイルパークで取材に応じ今季限りでの監督退任、来季から球団取締役シニアディレクター(SD)に就任することを発表した。

 石井氏は「契約満了で退くということはありますけど、それ以上に契約期間の中でなかなかチームの結果、ビジョンを明確にできなかったのは自分に責任があると思ったので。辞めるということを決意しました」と説明。「優勝できなかったことが、一つのビジョンが達成できなかったということ。こういうところ良かったじゃないですか、こういうところ悪かったじゃないですかと言っても、僕とか勝負師からすれば関係ない話なので、ただ一点、優勝できなかったということ」とV逸の責任を口にした。

 続けて「シーズン終了間際、ファンの方が大勢の方がいてくれて凄い声援をくれて。まさに選手の背中をおしてくれているなというのを見ると、ファンの方たちのために何とか勝ちたいと、きれい事ではなく純粋に強く感じた」と終盤のCS争いでのファンの声援に感謝した。

 球団からは「ここで終わるのでなく、若い選手も出始めて、もう一回、一からということではなく土台を構築して一丸となってやってほしいという話をいただきました」とし、シニアディレクター就任については「何もやらないことは簡単だけど、チームをサポートすることは大事なこと。逃げるのは簡単なので、結果が出ずに現場を退くことはもちろん自分の中で決意していたけど、もう一度チームみんなで東北で日本シリーズをやるということを念頭に置きながらしっかりやっていきたい」と意気込んだ。

 そして「編成や契約というところとではなくて、もう少しチーム全体を広く見て、社長にしっかりアドバイスや助言をして、良い方向に向いていくためにはどうすればいいのか、育成でもどうやったら育っていくのかとか。いろんなことを話し合って、やっていきたい」と語り「13年以来、チームが躍動している姿、ファンの方が心から喜んでくださっている顔をさせてあげられなくて本当に悔しい思いもある。次の年は20周年。何とかここに歓喜を持ってこられるように、微力ながらしっかりサポートしたい。新しいチームに生まれ変わる姿をファンの皆さんにはみていただければ」と意気込みを語った。

 3年契約3年目の石井氏は今季、6月終了時に28勝40敗1分けで最下位だったチームを立て直し、一時は最大13あった借金を完済。だがレギュラーシーズン最終戦だった10日のロッテ戦に敗れて70勝71敗2分けで4位が確定。2年連続でCS進出を逃した。

 石井氏は18年9月にGMとしてチームに加入し、21年から3年契約で監督兼任GMに就任。今季から監督に専任することになったが常に編成面にも気を配りながらチーム強化のためにその身を削ってきた。特にGMとしてはFA補強で手腕を発揮。18年オフに西武から浅村、19年オフにはロッテから鈴木大の獲得に成功した。他球団に負けない好条件の提示はもちろん、日米4球団を渡り歩いた自身の現役時代の経験を伝えるなどして口説き落とした。来季からはシニアディレクターとして、編成面からチームを支える。

 ◇石井 一久(いしい・かずひさ)1973年(昭48)9月9日生まれ、千葉県出身の50歳。東京学館浦安から91年ドラフト1位でヤクルトに入団し、97年にはノーヒットノーランを達成。02年にドジャースに移籍し、05年はメッツに所属。06年にヤクルトに復帰し、08年に西武に移籍して13年限りで現役を引退した。日米通算は182勝137敗1セーブ、防御率3・80。主なタイトルは最優秀防御率(00年)、最多奪三振(98、00年)。18年9月に楽天GMに就任し、21年からGM兼任監督で今季は監督専任。左投げ左打ち。

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