【どうなる!?侍次期監督】槙原寛己氏 「主力投手と信頼関係ある」ロッテ・吉井監督 大谷招集も期待

[ 2023年6月30日 06:00 ]

投手コーチとしてWBC優勝に貢献したロッテ・吉井監督
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 どうなる、侍総大将――。今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンを3大会ぶりの世界一に導いた前監督の栗山英樹氏(62)は任期満了に伴い、退任。侍ジャパン強化委員会は新たな代表監督の人選を急ぐ。旬の話題に鋭く斬り込む「マイ・オピニオン」では、本紙評論家の槙原寛己氏(59)がさまざまな要素を勘案した上で、次期監督候補について語った。

 私が今回のWBCで痛切に感じたのが投手陣のマネジメントの重要性だ。ダルビッシュ(パドレス)、大谷(エンゼルス)という現役メジャーリーガー投手が参加。ダルビッシュは合宿初日から合流したが、オープン戦には登板できない制約があり調整に苦しんだ。大谷は大会開幕8日前の3月1日に来日。ぶっつけで初戦、同9日の中国戦に先発した。3年後の大会に向け調整のノウハウをつないでいきたい。

 そこで次期監督に推したいのが代表投手コーチを務めたロッテの吉井監督だ。3年後、大谷、ダルビッシュにはどんな形でも代表に入ってほしい。信頼関係のある吉井監督が声をかければ応じてくれるだろう。近い将来メジャー移籍が想定される山本(オリックス)、今永(DeNA)も「吉井監督」ならば抵抗はない。自チームの愛弟子・佐々木朗をはじめとして戸郷(巨人)、高橋宏(中日)は次回大会でも招集されることは濃厚。山下(オリックス)ら台頭してくる若手も吉井監督なら実戦の中でチェックできる。問題は国内キャンプなどの視察、MLB選手たちのヒアリングなど、現役監督の立場では行動が限定されること。私案だが前監督の栗山氏をチーム編成やMLBの交渉窓口を担うアドバイザーなどに起用してほしい。栗山氏なら監督が采配に専念できる環境を整えられると思う。

 野手出身の監督というのであれば前ロッテ監督の井口資仁氏を推したい。対話型のチーム運用で20、21年に2位。12球団選手の力量も掌握している。もう一つ、これは吉井監督もそうだが「元メジャーリーガー」の肩書は貴重だ。次回大会では日本人メジャーリーガーに加え、ヌートバーら日系選手招集も増える可能性が高い。送り出す側のMLBチームにしてみれば、日本代表の首脳陣がどんな顔触れでどんな選手起用をするのか気になる。その点、井口氏らMLB経験者が指揮を執っていれば理解を得られやすい。

 野手ではもう一人、直近まで現場で采配を振っていたという点で辻発彦氏。09年大会のコーチも務めており、戦い方を知っている。今大会「栗山ジャパン」よりも「侍ジャパン」と表現されることが多かったように思う。もう監督にビッグネームはいらない時代。実務型の3人の候補者。いかがだろうか。(本紙評論家)

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