ソフトB・近藤 起死回生逆転V弾!「完璧」自己最多タイ11号「飛距離より打球スピードが上向いている」

[ 2023年6月30日 05:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3ー2楽天 ( 2023年6月29日    ペイペイD )

<ソ・楽>8回無死一、二塁、右越え本塁打を放った近藤(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクは0―2の8回無死一、二塁から近藤健介外野手(29)が、11号逆転3ランで試合を決め首位オリックスに0.5差と迫った。7回まで楽天・岸に無得点と封じられただけに、まさに起死回生の一発。本塁打数で自己最多に並び、42打点はリーグトップに躍り出た。

 0―2の8回無死一、二塁だった。近藤はカウント2―1から3番手・内のスプリットをすくい上げると、確信したようにバットを豪快に放り投げた。ベンチに向かって右腕を掲げながら堂々と、ゆっくり走り出した。強烈な弾道は、右翼上段に突き刺さる。飛距離135メートル弾は逆転の11号3ランとなった。

 「完璧。感触も覚えてないし(打球を)見てもない。打ててなかったので三振でもいいやと思って振った」

 14日の神宮球場でのヤクルト戦以来10試合ぶりのアーチ。7回までは楽天・岸にほぼ、完璧に抑えられた。近藤も2打数無安打1四球だったが「自分のバッティングをしようと集中した」と、この一打席に懸けていた。

 開幕67試合目でキャリアハイだった日本ハム時代の21年11本塁打に並んだ。「あの時よりも意識せずにホームランが出ている感じがあります」。長打力の向上がここ数年のテーマ。きっかけは東京五輪日本代表で、柳田や村上らの打球を目の当たりにして「このままではそれなりの選手で終わる」と危機感が芽生えたからだった。

 1月の徳之島自主トレでは徹底して長打力アップを意識し、振り込んだ。「飛距離よりも、打球スピードが上向いている。継続して、いいポイントでも打てています」。日本球界屈指の安打製造機が、新天地でそのイメージを変えつつある。

 この3打点で、40打点の栗原を抜いて42打点。リーグ首位に躍り出た。接戦をものにした藤本監督は「ギータ(柳田)、近藤、中村晃、牧原はやってくれると信じている。明日の当日移動ゲームはしんどいが、勢いに乗って気持ち良く西武戦に行ける」と喜んだ。

 これで4カード連続の勝ち越し。この日、試合のなかった首位オリックスに0・5差に迫った。30日から敵地での西武3連戦。巧打に加えて決定打も兼備する近藤は「また、試合を決める1本。それがホームランとなれば。継続してやっていきたい」。再び、ここぞで決めにかかる。(井上 満夫)

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