エンゼルス・大谷“変身”ID配球で6回1失点 勝敗つかずも勝利に貢献

[ 2023年5月23日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス4-2ツインズ ( 2023年5月21日    アナハイム )

<エンゼルス・ツインズ>3回、キリロフを一ゴロに打ち取りサムアップを見せ引き揚げる大谷(撮影・会津 智海)
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 変幻自在だ。エンゼルスの大谷翔平投手(28)が21日(日本時間22日)、ツインズ戦に「3番・投手兼DH」で出場。勝敗は付かなかったが6回2安打1失点と好投し、チームの5カードぶりの勝ち越しに貢献した。これまでのスイーパー主体の投球からスプリット、ツーシーム、縦のカットボールの割合を増やし翻弄(ほんろう)。自己ワーストの連続試合被弾を4で止め、進化の一端を見せた。

 どうすれば強打されないか、考え抜いた結果だった。前回登板まで自己ワーストの4試合連続被弾。8本塁打中、5本がスイーパー(曲がりの大きいスライダー)だった。大谷は「本塁打になるかどうかはあまり左右できない」と割り切り、「強く振らせないのが一番」と結論を導いた。

 左5人、右4人が並んだ中地区首位のツインズ打線相手に、左打者にはスプリットとカットボールの縦変化、右にはスイーパー、ツーシームの横変化を中心に攻めた。「一番(大事なこと)は球種のパーセンテージ。自分のデータも見る」。過去9試合全820球中、44・9%(368球)を占めたスイーパーの割合を27・3%(27球)まで落とし、直球、スプリット、カットボール、ツーシームをそれぞれ10%以上、満遍なく投げ込むことで狙いを分散させ、被弾を許さなかった。

 強打者コレアから始まる同点の6回はギアを上げ、3者連続三振に仕留め、その後の逆転劇につなげた。奪った空振り22個は、4月21日のロイヤルズ戦に並び今季自己最多。最速は99・2マイル(約159・6キロ)止まりだったが「真っすぐでファウル、空振りを取れている。無視できない球種の一つを確実に印象づけることが大事」。公式データサイト「ベースボール・サバント」によれば、右打者の外角に逃げるスイーパー、逆に内角に食い込むツーシームはともに最大曲がり幅19インチ(約48・3センチ)を計測した。「グッドスタッフ(良い球質)、動きもスポット(コース)も良かった」と自賛した。

 米軍関係者へ敬意を示す「アームド・フォースデー」としてカーキ色の帽子をかぶり、6回2安打1失点、9三振。10登板で80奪三振は、球団では同97奪三振の78年ノーラン・ライアン以来2人目。被打率・142は依然としてメジャートップに立つ。打者では初回に中前打。5回には申告敬遠された。チームは5カードぶりに勝ち越して、貯金2の地区3位につける。

 「ノーチャンスで負ける試合は少ない。そこが一番いい」と前向きに語り、投手としては「まだまだ発展途上。全球種伸ばしていける」と言い切った。飽くなき向上心で進化が止まらない。(笹田 幸嗣通信員)

 ≪トラウタニTシャツ4800円≫大リーグ公式オンラインショップ日本語版が「兜(かぶと)」をかぶった大谷とトラウトをアニメ調で描いた「トラウタニTシャツ」(4800円)の販売を開始した=写真、同サイトから。レッド、ネービー、ホワイトから選べ、予約制で受け付けは31日正午まで。通算25度のアベック弾を記録する「トラウタニ」の商品は初で注目を集めそうだ。

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