【赤星憲広氏 走塁塾(2)】お尻に土がつくのは下手 スライディングは“立ったまま”滑るべし

[ 2023年5月23日 08:00 ]

スライディングは“立ったまま”滑る方がいい
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 阪神OBで本紙評論家の赤星憲広氏(47)が野球少年少女や指導者に走塁技術を指南する「走塁塾」(第4火曜日掲載)。第2回はスライディング編です。盗塁王5回、通算381盗塁を生んだ滑り方とは…。同氏がオーナーを務めるレッドスターベースボールクラブ協力による動画も必見です。

 スライディングした時にユニホームのお尻に土がついている選手は「うまくない」と言えます。体が倒れているから、お尻が地面につきます。背中まで土がついているのは、もっとダメです。地面につくと当然、スピードが緩みます。ついている面積が多いほど、またついている時間が長いほどブレーキがかかってしまいます。同じ理由でベースの遠いところからよりも、ベースに近いところからスライディングする方がいいです。

 私は、できるだけベース近くまでスピードを落とさずに走るようにしていました。右足を前に伸ばしても、左足を伸ばしても、どちらでも滑ることができます。二盗のときは慣れている左足を伸ばしてばかりだったのですが、例えば二塁から本塁を狙うときなどは、足を合わせようとすることでスピードを落としたくありません。どちらの足でも滑ることができるので足を合わせる必要がないことが強みでもありました。

 私は足を折り曲げる右膝部分にしか土がつきません。極端に言うと、体の角度が「寝転がる」よりも「立つ」感じなので、お尻が土にあまり触れないのです。地面との接地箇所が膝より先だけのイメージ。いまの阪神では近本光司選手や植田海選手もそうです。

 ちなみに巨人で通算228盗塁の鈴木尚広さん(現巨人外野守備兼走塁コーチ)はベースに向かって飛びこむ感じのスライディングでした。鈴木さんも両足で滑ることができるので可能な限りトップスピードで塁に近づき、スパイクで真っすぐに突き刺すイメージなので、減速はしませんでした。

 正解は一つではありません。一番速く滑る方法が、その人にとっての正解です。私のようでも、鈴木尚広さんのようでも構わないので、スピードを落とさないためには、自分にはどれが適しているかを見つけることが大切です。

 最近はケガをするから…という理由であまりスライディング練習をしなくなっていますが、逆です。ケガをしないために練習をした方がいいのです。試合では全力で走って、とっさの判断でスライディングしないといけないのですから日頃から慣れておくことをおススメします。(本紙評論家)

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