“ハマスタ男”阪神・藤浪に託した!CS本拠地開催へ矢野監督「逆転2位」厳命 今日からDeNAと2連戦

[ 2022年9月9日 05:15 ]

気合のこもった表情でキャッチボールを行う藤浪(撮影・北條 貴史)
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 矢野野球の集大成だ。阪神は、きょう9日から敵地の横浜で、4ゲーム差で追うリーグ2位のDeNAと2連戦。初戦には“ハマスタ男”の藤浪晋太郎投手(28)を投入する。連勝すれば2ゲーム差まで接近する大事な直接対決。クライマックスシリーズ(CS)本拠地開催を狙う矢野燿大監督(53)は今季初めて「逆転2位」を厳命した。

 今の藤浪ならば、2位争いの重要な一戦でも気負いの心配はなさそうだ。大事なカード初戦となるきょう9日のDeNA戦に先発。1軍に戻った8月以降、5戦連続でクオリティースタート(QS=6回以上、自責3以下)を記録する安定感は健在だ。この日は横浜への移動前に甲子園で練習。地に足が着いた言葉を発した。

 「ゲームをつくることに集中して、その上で勝てるピッチングができればいい。一つ上の順位のチームとの対戦だからといって、力まないようにしたい」

 強力打線とは今季初対戦だ。それでも過去の対戦は頼もしい数字を残す。通算29試合に登板して、球団別では最多の14勝(5敗)をマーク。しかも横浜スタジアムでは、入団1年目の13年から通算8勝1敗、15年7月5日からは7連勝中と無類の強さを誇る。

 データ上は追い風が吹き、個人としてもあと5に迫った通算1000奪三振がかかるものの、浮つくことはない。「すごく相性がいい(球場)とは思わない」と冷静だ。右手中指爪の状態が思わしくない西勇の登板回避で、今季初となる中5日での登板にも、「1回程度なら大丈夫」と、どこ吹く風。チームのハマスタでの連敗を6で止めるのは、“暴れ馬”の投球が影を潜めたこの男しかいない。

 先陣を託した矢野監督の信頼は厚い。「全てのボールを使えている感じ。いい状態がずっと続いているかな」。ヤクルトの背中は遠いものの、2位なら望みがある。横浜での2連戦に連勝すれば借金完済となり、DeNAとは2ゲーム差に接近。シーズンの重要局面へ「DeNAを倒せば2位というチャンスも十分に広げられる」と、今季初めて逆転2位を厳命した。

 矢野阪神の命運をかけた横浜決戦。シーズンの夕暮れを告げる“よこはま・たそがれ”の展開だけはご勘弁。甲子園でのCS開催へ望みをつなげる。残り14試合。逆転2位をかなえて“ふりむけばヨコハマ”とすべく、藤浪がラストスパートを勢いづける。 (倉世古 洋平)

 《引退発表の福留に感謝》中日・福留が引退を発表したことを受け、藤浪は「野球に対する考え方、奥深さ、たくさんのことを教えていただいた」と感謝を口にした。日米通算2450安打を誇る名打者が阪神のユニホームに袖を通した13年に、高卒ドラ1でプロ1年目を迎えた。16年8月30日の中日戦では、1回KOされた後のベンチ内で厳しく叱責(しっせき)された。これまでの交流を振り返り、「自分の野球観にかかわるぐらい、いい話をたくさんしてもらった。すごく尊敬している」と敬意を表した。

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2022年9月9日のニュース