佐々木恭介氏 縁深い福留にメッセージ「引き出しも多いし、優秀な指導者になる」

[ 2022年9月9日 04:45 ]

中日・福留孝介 引退会見 ( 2022年9月8日 )

01年10月、秋季キャンプで佐々木打撃コーチ(左)と打撃練習する福留

 元近鉄監督で中日の打撃コーチとして福留を指導した佐々木恭介氏(72=現大和高田クラブ監督)が引退する愛弟子にメッセージを寄せた。

 孝介からは1週間ほど前に連絡をもらった。一番聞きたくない報告だった。4、5日ほど私の方が打ちひしがれていたよ。近鉄の監督に就任した直後の95年のドラフト会議で7球団競合の末、孝介を引き当てた。意中の球団ではなかったが「ひょっとして入ってくれるかも」と3回ほど交渉したが、当時はかたくなで入団してくれなかった。ところが縁あって中日の打撃コーチとして指導することになった。

 もう一度、縁をつくってくれたのは山田久志さんだった。01年オフに中日監督就任が決まるとすぐに「孝介を再生してくれ」と電話をもらった。忘れられないのは直後に西武第2球場で見た孝介の姿だ。教育リーグに出場していたが、バットを担いで寝かせ、すっかり打撃フォームが小さくなっていた。コーチに寝かせろと言われたらしい。「PLの時の打撃に戻せ」というと「忘れました」と。そこから2人で、もう一度フォームをつくろうと練習を始めた。1日3000スイング。言ったことをスポンジのように、ドンドン吸収してくれた。積み木のように一つ一つ積み上げた。

 私が中日を去った後も、ことあるごとに連絡をくれた。オフには大和高田クラブにも練習にきてくれた。生きた教材に多くを学ばせてもらった。18年にクラブ選手権で優勝できたのもそのおかげかもしれない。引き出しも多いし、優秀な指導者になると思う。

 家族ぐるみの付き合いもあり、孝介は息子のようなものだ。引退に際してどう声をかけて良いか分からない。言えるとすれば体をゆっくり休めて次のステージでも頑張ってほしいということだ。

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2022年9月9日のニュース