オリ・中川圭 自身初2発で再び混パ0差演出「おまえが勝たせるんだ」恩師・高橋昭雄氏の教え実践

[ 2022年9月9日 04:45 ]

パ・リーグ   オリックス5―0西武 ( 2022年9月8日    ベルーナD )

<西・オ>4回無死、中川圭(手前)は中越えソロを放ちベンチ前で天に向かって手を合わせる(撮影・小海途 良幹)
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 きょうは、この男が輝かないといけない日だった。オリックスの中川圭が4回先頭で、132キロスライダーを左中間へ決勝の先制5号ソロ。3―0で迎えた8回2死からも、今度は左翼へ自身初となる1試合2発を放り込んだ。

 「きのうの試合中に亡くなられて…。今の僕があるのは、その3年間です。感謝の気持ちでいっぱいです。今の打撃は高橋監督から教わったこと全てだと思う。きょうの2本は意味があるのかな」

 恩師にささげる一発だった。前日7日に東洋大で3年時まで指導を受けた高橋昭雄前監督が死去。豪快なアーチを放ってベンチに戻ると、天を仰いで両手を合わせた。

 入学時から人一倍の愛情と期待をかけられた。「おまえのバットで試合を決めろ、おまえがチームを勝たせるんだ」。その教えを守り、実践した。「今も、その気持ちは持っているんですけど。やっぱり天国から見守っていてくださったのかもしれませんね」。

 試合前にはPL学園の先輩、中日の福留が現役引退を表明。米大リーグのツインズには前田がいるが、日本のプロ野球では中川圭が唯一のPL戦士となる。「大先輩すぎてなんて言ったらいいのかわかりませんが、ファームでお会いしたときは“何してんねん”と厳しい言葉もかけてくださった」。

 チームは2位の西武に直接対決で勝利して、ゲーム差なしで再び3球団が並んだ。中嶋監督は「(相手が)どこというよりも、本当に全部の試合が大事になってくる」と最後まで表情を変えなかった。残り15試合。連覇へ、ラストスパートをかける。(畑野 理之)

 〇…パ・リーグは4日以来、再び1~3位のゲーム差が0。2リーグ制後、9月以降に上位3チームが0差になるのは53年9月12日のパ、01年9月5、6日のパ以来で、1度開いたゲーム差が再び0になったのは今回が初めて。オリックスは今季の西武戦が全て終了。今後全勝しても西武が全勝すれば勝率で上回れないため、自力優勝の可能性は既に消滅している。

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