ジャッジの60本台への挑戦は過去8度と比べ困難な条件下、MLB公式サイトが指摘

[ 2022年9月9日 09:30 ]

ヤンキース・ジャッジ(AP)
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 MLB公式サイトが8日(日本時間9日)、ヤンキースのアーロン・ジャッジ(30)の60本への道は、過去の達成者より難しい条件下にあると指摘している。

 5人のスラッガーが8度達成。27年のベーブ・ルース、61年のロジャー・マリス、98年から01年のサミー・ソーサ(3度)、マーク・マグワイア(2度)、バリー・ボンズ(1度)だ。

 まず27年のルースに関しては人種差別撤廃以前の記録であること。対戦したほとんどの投手は白人でアメリカ生まれ。ニグロリーグにサッチェル・ペイジのような優れた投手がいたのに対戦していない。対戦した投手の数も全部で67人。61年のマリスは101人。ジャッジは今年9月6日までに224人と対戦し、おそらくシーズン終了時には240人くらいになると予測される。そもそも27年当時はインターリーグもなく、ア・リーグの球団数は「8」と少なかった。リリーフ投手が出てくるのはケガなど思いがけない災難があった時だけ。約半分の試合は完投で、先発投手が全イニングの88%を投げた。マリスの時代も先発が77%のイニングを投げていた。ソーサやマグワイアが60本を越えた頃と比較すると、当時は打高投低だった。ナ・リーグの長打率が歴史を通して特に高かった時期で、2000年は2番目の・432、99年は4番目の・429、01年は7番目の・425だった。今季は・395で過去30年で2番目に低い数字。ジャッジにつぐ本塁打数はナ・リーグのカイル・シュワバーの36本である。

 さらに60本越えの内3度は、エクスパンションの年に起きたことも指摘しなければならない。98年のマグワイア、ソーサの年はダイヤモンドバックスとレイズの2球団が新設、61年のマリスの時はア・リーグに2球団が加わった。新しいチームではすぐに良い投手が揃わない。そして近年投手のレベルが飛躍的に上がっている。95マイル以上の速い球が普通になり、データのある08年と比較しても、95マイル以上の速球が15%以下だったのが、今年は30%を越える。一方でスライダーやカッターなど、打ちにくい変化球も増えた。08年当時、速球は60%近く投げられていたのに、今季は50%を切って変化球の割合が増えた。ジャッジは、マグワイア、ソーサの時よりも、レベルの高い投手たちと日々対戦しているのである。

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2022年9月9日のニュース