阪神 打線組み替え実らず開幕5連敗、佐藤輝が9回意地打「明日から勝てるようにやっていくだけ」

[ 2022年3月31日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-8広島 ( 2022年3月30日    マツダ )

<広・神>9回、佐藤輝が適時打を放つ(撮影・奥 調)
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 悪夢は終わらない。阪神は30日の広島戦に3―8で敗れ、球団ワーストタイとなる開幕5連敗を喫した。矢野燿大監督(53)は5戦目で初めて捕手以外の打順を入れ替えたがつながらず。1―8の9回に意地の右前適時打を放った佐藤輝明内野手(23)は「明日から勝てるようにやっていくだけ」と前だけを見据えた。

 反撃はあまりに遅すぎた。1―8で迎えた9回。先頭の近本の中前打から1死一、二塁のラストチャンスをつくると、打順は4番に回った。そこまでの3打席は、いい当たりもありながら無安打だった佐藤輝。大差でも集中力を切らさず、コルニエルの初球を“このまま終われるか!”とばかりに右前にはじき返した。

 「負けていましたけど、自分のスイングを初球からしようと。明日からしっかり勝っていけるようにやっていくだけです」

 意地の適時打も白星は呼べず、3―8でゲームセット。開幕からの連敗はついに「5」まで伸び、95年以来27年ぶり4度目の球団ワーストタイとなった。佐藤輝自身は決して不調ではないが、開幕から4番に座り続けている身として悔しくないはずがない。最終打席の一打を、何としても31日の第3戦での勝利につなげる覚悟だ。

 矢野監督も泥沼脱出へ手を打った。開幕から捕手の梅野と坂本を入れ替えた以外は不変だった打順を大幅に変更。糸原を5番から2番に上げ、7番だった大山を5番に置いた。今季初めて中軸に入った大山は、4回の左前打で5戦連続安打に伸ばしたものの、チームとして連打はなし。指揮官のテコ入れも不発に終わった。

 「なかなか状態がみんな上がってこないんで。もちろん、そのままいくこともあるけど、何かきっかけをつかんでもらえたら、というところもあった」

 先発投手が序盤に崩れた試合はなく、投打の歯車の狂いと、リリーフ陣の不安が黒星に直結している現状。まだ138試合残っているとはいえ、これ以上出遅れてはV奪回への影響も懸念される。矢野監督は必死で言葉を絞り出した。

 「やれることは大きく変えることはできないけど、気持ちの部分で大きく変えることは一人一人の思いでできる。苦しいのは、みんな苦しい。でも、一人の“絶対変えてやる”という思いがつながれば、大きな力に変えられるんで、そういう思いでいくしかない」

 佐藤輝を4番に置く今季の猛虎打線の力はこんなものではないはず。ノドから手が出るほどほしい「1勝」を今日こそつかみ取る。(山添 晴治)

 《開幕5連敗以上から優勝は2チーム》阪神の開幕5連敗は95年以来27年ぶり4度目の球団ワースト。過去3度の最終順位は68年2位、91年6位、95年6位。プロ野球で開幕5連敗以上から優勝は60年大洋(6連敗)と08年巨人(5連敗)の2チームだけ。

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