天国の父に届けた 国学院久我山・宮城選手 思い出の聖地で“全力プレー”「これからもずっと見守って」

[ 2022年3月31日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会第10日第2試合・準決勝   国学院久我山4-13大阪桐蔭 ( 2022年3月30日    甲子園 )

国学院久我山・宮城選手の(右から)父・悟さん、姉・日菜子さん、那洋くん、母・佐智子さん
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 【いっちーの球春胸キュン日記】国学院久我山の宮城那洋君は、天国の父に思い出の場所で成長した姿を見せました。

 幼稚園の頃から父・悟さんとの遊びはキャッチボール。小学1年から野球チームに所属し、悟さんは時間があれば公園でノックを打ってくれました。

 小学5年の8月、単身赴任していた悟さんが「高校生の動きや技術を学ぼう」と初めて甲子園に連れて行ってくれました。しかし、その2カ月後に悟さんが急逝。聖地での野球観戦が最後の家族旅行となりました。当時11歳の那洋君につらすぎる知らせでしたが「父さんは出ろっていうはずだ」と葬儀翌日、少年野球の試合に志願して出場したといいます。

 父からの野球の教えは「自分ができることをやるんだぞ」。身長1メートル60の那洋君は「この体も長所だ」とバントや守備の練習に積極的に取り組みました。そしてメンバー入り。背番号16で思い出の場所に戻ってきました。出場機会はありませんでしたが大阪桐蔭戦でも用具の受け渡しなど自分ができることで全力“プレー”。「亡くなってからも見守ってくれてありがとう。これからもずっと見守ってください」。聖地から届けたメッセージ。大好きなお父さんも、きっと天国で喜んでくれているはずです。
 
 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。昨年からは早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に在学し野球選手の障害予防について研究中。

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2022年3月31日のニュース