エンゼルス・大谷 OP戦2号2ランは技ありの一発 選球眼も向上!直前の打席で6個目の四球

[ 2022年3月31日 02:30 ]

オープン戦   エンゼルス8-2ロッキーズ ( 2022年3月29日    スコッツデール )

<ロッキーズ・エンゼルス>5回、2ランを放つ大谷
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 好球必打――。エンゼルスの大谷翔平投手(27)が29日(日本時間30日)、ロッキーズ戦に「1番・DH」で出場し、5回にオープン戦2号2ランを放った。内角球を逆方向に運ぶ技ありの一発だった。直前の打席では今オープン戦トップタイとなる6四球目を選ぶなど、ジョー・マドン監督(68)ら首脳陣は選球眼の向上を評価した。「打者・大谷」が進化した姿を見せている。

 ダイヤモンドを一周した大谷はMVPコールで迎えられた。5回無死二塁。2番手右腕チャシーンが投じた内角のシンカーを振り抜いた。角度33度で舞い上がった打球は左翼芝生席に着弾。内角球を引きつけながらインサイドアウトのスイング軌道で捉え、打球は最後まで切れなかった。

 3試合ぶりの一発となる2号2ラン。現役時代にマリナーズでイチローと同僚だったジェレミー・リード打撃コーチは「パワーでストライクゾーンを制することができる。かつてないほど強い。The sky is the limit for him(彼の能力は無限大)」と驚いた。打球飛距離367フィート(約112メートル)、打球速度104マイル(約167キロ)。昨季は全打球の46・6%が右翼方向で、46本塁打中、30本を右翼に運んだ。今回は球を見極め、元々得意な逆方向に運んだことに価値があった。

 今季の1番起用を明言しているジョー・マドン監督は「ストライクゾーンがきっちりと確立されている」と評価した。昨季はボール球に手を出した確率を表す「O―Swing%」が30・1%。ア・リーグ本塁打数上位の打者の中では良い数字ではなく、ボール球に手を出す傾向が強かった。空振り率で見ると、低めのボール球の空振り率は、内外角どのコースも50%以上と高かった。だが、この日の大谷は我慢した。

 4回は外角の際どいボール球を見極め、オープン戦両リーグトップタイの6個目の四球。5回の一発の直前の4球目も、外角低めのボールゾーンに沈むカーブを悠然と見送った。26日の会見で「あまりこの時期に(打撃の調子が)いいっていうことの方がない」と話していたが、確かな成長の跡を見せている。

 試合前にはキャンプ地のクラブハウスで超音波治療器で10分以上、右肘を入念にケア。その後、ブルペンで24球投げた。次回登板予定の31日(日本時間4月1日)のブルワーズ戦について、マドン監督は「両方とも出る」と22年初の投打同時出場を明言。史上初めて「1番・投手」で迎える5年目のシーズンへ、最終調整に入る。(柳原 直之)

 ▽O―Swing% Outside the strike zone Swing%の略で、ボール球をスイングした割合を表す。選球眼の指標となり、28~29%が平均値で、優秀な打者は20%を切って15%前後をマークすることもある。悪球打ちの選手は40%を超える。対になる指標にストライクゾーンの球をスイングした割合を表す「Z―Swing%」がある。

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