信じた城島流「今の1打席よりシーズンの500打席を考えてやれ」ソフトバンク・甲斐が逆方向へ見事な一発

[ 2022年3月5日 05:30 ]

オープン戦   ソフトバンク5-2ロッテ ( 2022年3月4日    ペイペイD )

<ソ・ロ>3回無死、右越え本塁打を放った甲斐はナインの出迎えを受ける(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクの甲斐拓也捕手(29)が4日、ロッテとのオープン戦の3回にオープン戦1号の右越えソロを放った。2月の宮崎キャンプでは城島健司球団会長付特別アドバイザー(45)から徹底指導を受け、新打撃フォームに挑戦。逆方向への一発で成果を示した。試合はソフトバンクが5―2で快勝した。 

 逆方向へ押し込んだ。1―0の3回。先頭の甲斐がロッテ・本前の143キロ外角直球を振り抜き、右翼テラス席に運んだ。今季実戦11試合目での初アーチに、ほっとした表情でダイヤモンドを一周した。

 「違和感がなくなっている気がする。少しずつですけど、やってきたことが形になっている」

 昨季は全試合に出場してキャリアハイの12本塁打を放ったが、右方向は0本だった。6回は左前打とマルチ安打をマーク。打撃改造がものになってきた。

 2月の宮崎キャンプでは「シンプル」をテーマに、城島健司会長付特別アドバイザーから熱血指導を受け、右方向への打球の意識を強くした。また従来のかがむような構えから真っすぐに立つ構えに大きく変更。城島アドバイザーの現役時代をほうふつさせるフォームにした。「全てを変えているので球の見え方は全然違うし、難しさはある」。宮崎での実戦8試合は18打数無安打。焦りはあったが、迷いはなかった。

 城島アドバイザーは2月10日に福岡に戻ったが、キャンプ終盤になって「今の1打席よりシーズンの500打席を考えてやれ」と連絡を受けたという。昨季打率・227で142三振を喫した課題克服へ。目標の打率・270達成に向け、「自分が一度、信じたものを元に戻したらもったいない。1年間、数字を残しているわけではないので、これからも続けていく」と力を込めた。

 藤本監督は「いい雰囲気で打撃ができている。やっと自分のものになってきた感じじゃないかな」と成長に目を細めた。日本代表の正捕手となった甲斐だが、慢心はない。目指すはキャリア最高の数字。変化を恐れず、打席に向かっていく。(福井 亮太)

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