センバツで怪物対決!!花巻東・麟太郎VS市和歌山149キロ腕・米田 第5日第1試合

[ 2022年3月5日 05:30 ]

18日開幕 第94回選抜高校野球大会 組み合わせ決定

花巻東・佐々木麟太郎
Photo By スポニチ

 第94回選抜高校野球大会(18日から13日間、甲子園)の組み合わせ抽選会が4日、オンラインで行われた。東北勢初の優勝を狙う花巻東(岩手)は、大会5日目の第1試合で市和歌山と対戦。佐々木洋監督(46)の長男で、両肩手術から復帰を目指す高校通算50本塁打の主砲・麟太郎内野手(1年)が、今大会の出場選手で最速のMAX149キロを誇る右腕・米田天翼(つばさ)投手(2年)の攻略に挑む。

 手術明けの佐々木麟には、少しでも時間が必要。だから、対戦相手よりも「いつ」のくじを引くかが最初の問題だった。田代旭主将(2年)は2番目に登場の遅い大会5日目の第1試合を引き当てた。佐々木監督は「後ろの方で十分に調整も練習もできる。うちにとっては非常に良かった」と声を弾ませた。

 切れ目のない強力打線を誇る花巻東と、大会最速の149キロ右腕・米田を擁する市和歌山が激突。大会屈指の「ほこ、たて対決」となったカードは「主役」が間に合うかが勝敗を分ける鍵。1年生ながら高校通算50本塁打を誇るスラッガー・佐々木麟は「胸郭出口症候群」で昨年12月に両肩の手術を受けた。スイングとスローイングは2月下旬に再開したばかり。「感覚では半分も満たしていない」という。約3カ月も本格的な練習から離れることは初めてで「とにかくフルスイングしてみたい」と渇望する。

 チームは1日に兵庫入り。佐々木麟は両肩に負担がかからないように両手を縛った状態で久々に打撃練習を再開した。緩い変化球に設定した打撃マシンに対してフォロースルーを大きく取らないスイングで少しずつ感覚を戻している。5日から対外試合が解禁され、関西のチームとの対戦が続く。指揮官は「麟太郎も様子を見て打席に立たせていければと思います。大会の初戦にピークを持っていけるようにしたい」と見通しを語った。

 東北勢初の日本一を目指して「岩手から日本一」をテーマに掲げてきた。花巻東の選手が本塁打を放てば12年の大谷翔平(現エンゼルス)以来10年ぶりで、岩手県のチームの新2年生によるアーチは史上初となる。初の甲子園出場をかなえた大器は「小さい頃から花巻東のユニホームを着て日本一になることをイメージしてきました」と語る。高校通算41本塁打で、佐々木麟と並ぶ主砲である田代主将がつくってくれた、大舞台まで18日間の猶予。大会屈指の右腕を攻略するため、そして日本一という夢の実現のため、真の姿を取り戻す。(柳内 遼平)

 ◇佐々木 麟太郎(ささき・りんたろう)2005年(平17)4月18日生まれ、岩手県出身の16歳。幼少時から「江釣子スポーツ少年団」で野球を始め、江釣子中では金ケ崎リトルシニアに所属。花巻東では1年春からベンチ入り。1メートル84、114キロ。右投げ左打ち。

 ≪岩手勢VS和歌山勢 春夏過去3戦全て和歌山の勝ち≫岩手勢が和歌山勢とセンバツで対戦するのは78年1回戦で黒沢尻工が箕島に0―1で敗れて以来44年ぶり2度目。夏も福岡が58年に海南、61年に桐蔭と対戦しているがいずれも敗戦。春夏通算0勝3敗だが、初勝利を挙げることができるか。

続きを表示

2022年3月5日のニュース