大谷を救え!FA権取得特例措置求め「選手会は登録日数のために戦う」1年遅れ30歳では長期契約難しい

[ 2022年3月5日 05:30 ]

労使交渉の余波を受けるエンゼルスの大谷翔平
Photo By スポニチ

 労使決裂で開幕が延期された大リーグで、選手会がFA権取得についての救済措置を求めていくと3日(日本時間4日)、ニューヨークの放送局SNY電子版が伝えた。シーズンが15日以上短縮されるとFA権取得への登録日数を満たすことができず、エンゼルス・大谷翔平投手(27)のFA権取得も予定された23年オフから24年オフへ、1年遅れることが懸念されている。

 大リーグはベンチ入りの26人枠に172日登録されると1年とカウントされ、計6年でFA権取得となる。今季のレギュラーシーズンは開幕予定だった3月31日から10月2日までの186日だった。だが新協定を巡って労使交渉が決裂し、機構(MLB)は既に開幕2カードの中止を決定。現時点での開幕は4月7日(日本時間8日)にずれ込み、シーズンは179日に短縮された。交渉が長引きさらに8日以上短縮されると、最大でも登録日数は171日以下となり、FA権取得前の選手たちのFA権取得が想定よりも1年遅れることになる。

 SNYは「選手会は登録日数のために戦う」との見出しで、選手会が救済措置を求めていく方針を伝えた。大谷やメッツ・アロンソらFA権取得前の大物の名前を挙げて「彼らにとって1年の遅れは数十億円レベルで計り知れない」とも指摘した。既に登録日数が4年に達している大谷は、順当なら23年オフに29歳でFAとなれる。だが1年遅れれば24年オフに30歳でFAとなることに。30代の選手との長期契約は避けられる傾向にあり、米メディアが大谷に期待していた総額4億ドル(約460億円)以上とも言われる契約総額がしぼむことは確実だ。

 MLBはこの要求に対しても争う姿勢とされているが、選手のFA権を「人質」のように交渉材料に用いれば、批判の声がより強まることは必至。コロナ禍によりシーズンが66日に大幅短縮された20年には、年俸は日割りで削減された一方で、全選手に一律で1年分の登録日数を認める特例措置が取られた。今後の交渉の重要な争点の一つとなりそうだ。

続きを表示

2022年3月5日のニュース