福留 開幕スタメン渡さん弾 まだ打率2割台、移籍2年目完全復活を

[ 2014年3月23日 05:30 ]

<神・オ>7回無死、福留は右中間にソロ本塁打を放つ

オープン戦 阪神3―7オリックス

(3月22日 京セラD)
 阪神・福留孝介外野手(36)が22日のオリックス戦(京セラドーム)で、7回にオープン戦1号となる右中間スタンドへの同点ソロを放った。5回にも三塁線を鋭く破る安打を放つなど復調気配。結果が出ず苦しんだ時期もあったが、開幕スタメンは誰にも渡すつもりはない。

 完全復活を印象づけるには十分なインパクトがあった。福留が1―2の7回先頭、カウント3ボール1ストライクからのマエストリの高め142キロの直球をライナーで右中間席へ。まさに突き刺すような当たりだった。

 「自分のタイミングでスイングができるように。感覚の問題。もう少しと思うところもある。あと1試合あるけど、そのへんを自分でつかめていければ」

 待望のオープン戦1号での初打点にも言葉は淡々としていた。5回には三塁線を破る安打も放っているが、出てくるセリフは反省ばかり…。2回1死での左飛が気にくわなかったようだ。「もっと1打席目でしっかり捕まえられたらというのがあるので、精度を上げてきたい」。3打数2安打でも、まだ打率・219。打撃の求道者に満足感などあるはずはなかった。

 今春は2月23日の中日戦(北谷)で2安打を放ったものの、以降は打率が1割台の低空飛行。打撃好調の今成の右翼の守備練習開始など、一時は開幕スタメンの危機を感じさせるチーム内の動きもあった。結果で示す必要性も出てきていた。

 この日の試合前は、フリー打撃のはじめにスローボールを右方向へ打つことから始めた。「昔からの調整法の一つ。この時期は色々できるから」。和田監督とも話し合う場面が多く見られた。自身の打撃を見つめ直し、微修正を繰り返すノウハウはもっている。

 首脳陣の不安もかき消した。和田監督が「きょう一番の収獲だよね。ずっと練習ではいい打球は飛ばしていたんだけど、ゲームでは打席によって波があった。まだ本来の状態ではないと思うけど」と復調気配を認めれば、関川打撃コーチも「下半身の粘りが出てきた。高めの真っすぐをしっかりと。去年はファウルが多かったところが、しっかり捉えられた」と納得していた。

 移籍1年目の昨季は左膝手術やふくらはぎなどに故障が相次ぎ、打率・198、6本塁打、31打点。不本意なシーズンを送った。完全復活を期す移籍2年目。「打った打たないで喜ぶんじゃなくて、反省すべきところは反省して、しっかり準備していきたい」。本当の勝負はシーズンに入ってからだ。その臨戦態勢は整いつつある。

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2014年3月23日のニュース