ダル 全快零封!42日ぶり5勝目

[ 2010年6月13日 06:00 ]

1回、先制2ランを放った稲葉(41)を迎えるダルビッシュ(奥右から2人目)ら日本ハムナイン

 【日本ハム9-0中日】病み上がりの投球ではなかった。最速こそ149キロだったが、日本ハム・ダルビッシュの直球は浮き上がり、打者は切れがある変化球に手を出した。中13日のマウンドで7回3安打無失点の内容に「全球種の制球が良くて、テンポ良く投げられた」。試合後は涼しい顔で淡々と振り返った。

 打たせて取る投球だったが4回、無死二塁となって本気になった。ブランコをスライダー、野本をカーブ、新井を直球で3者連続空振り三振。「あそこは点差もあったし、打たせようとしたら三振になった」。5回以降は7回まで3者凡退でキッチリ締めて84球でマウンドを降りた。

 右ひざ痛を訴えて5日の巨人戦(東京ドーム)を回避したが、先を見据えた積極的休養だった。痛みは軽く、走ることも直線は問題なかったがひねりの動作が加わると違った。右ひざは軸足。「巨人戦も投げられないことはなかったが、昨年は右肩、腰などのいろいろな故障もあったのでね」と梨田監督。投球を支える土台だからこそ、予防に最善を尽くした。時間に余裕ができたことで、ジグザグ走などひざを強化する新メニューも取り入れた。「これまでにできなかったこともできたし、僕にとってはいい期間になった」。下半身が安定すればバランスもよくなる。この日は今季最少タイの1四球。7回84球はイニング平均12球。これまでの11試合は約17球だったことを考えれば、いかに制球が安定していたか一目りょう然だ。

 チームは本拠地連敗を5でストップ。完全復活したエースは5月1日の西武戦(札幌ドーム)以来42日ぶりの5勝目だ。交流戦優勝は消滅し、パ最下位の現状は変わらない。だが、ダルビッシュに勝ち星がつけば、チームには浮上の光が差し込む。

 ≪稲葉 積極2発≫日本ハムの稲葉が今季初の1試合2本塁打で5打点と大暴れ。初回に先制2ランを放つと、5―0の5回にはダメ押しの10号3ランを右翼席へ。11年連続の2ケタ本塁打としてダルビッシュを援護した。札幌ドームでの通算本塁打も47本となり、セギノールが持っていた最多記録を塗り替えた。この日の2本はいずれもファーストストライクを叩いたもので「1球目からタイミングを合わせようと準備していることが、いい方向に出たと思う」と振り返った。ただ、打率はここまで・248。6、8の打席も併殺打に倒れたとあって「そこが、もうひとつ調子が上がってこない部分」と慎重だった。

続きを表示

2010年6月13日のニュース