松井 ミスター超え1523打点!

[ 2010年6月13日 06:00 ]

ドジャース戦の5回、走者一掃二塁打を放つエンゼルス・松井秀

 【エンゼルス10-1ドジャース】大リーグは11日(日本時間12日)インターリーグ(交流戦)が再開し、エンゼルスの松井秀喜外野手(36)はドジャースとの「フリーウエー・シリーズ」で、ヤンキース時代の恩師・トーリ監督と公式戦で初対決。同点の5回に決勝の3点適時二塁打を放った。これで日米通算1523打点となり、もう1人の恩師・長嶋茂雄元巨人監督の記録を上回り、日本選手歴代7位に浮上した。

【試合結果


 恩師の前で恩師の記録を超えた。詰まらされながらも、スライス回転がかかった打球は、飛び込んだ右翼手イーシアのグラブをかすめ右中間に転がった。同点の5回2死満塁。松井がビリンズリのカットボールを執念で引っ張った。「きょうの展開の中では大きなヒットになった。捕られなくて良かった」という走者一掃の二塁打が決勝点となり、5万2407人の大観衆が詰め掛けたフリーウエー・シリーズ初戦を快勝に導いた。

 「あいつのことは話したくもないね。嫌いなんだよ」。そう苦笑交じりに切り出した試合後のトーリ監督の表情がすべてを物語っていた。ヤンキース監督時代、松井の入団1年目の03年から5年間、何度もその勝負強さを目の当たりにしてきたが、それを敵として痛感させられた。そして「大事な場面で打席に立つと冷静になるんだ。彼の監督だったことを誇りに思ってる」と続けた。

 今季、同点の場面では打率・333、4本塁打、17打点。試合前にはトーリ監督と雑談を交わし「勲(専属広報の広岡氏)の髪はかつらじゃないかと聞かれ、そうだと思うと答えました」と笑っていた松井だが、打席では勝負師の顔を見せ、バットで恩返しした。
 そしてこの一打で、長嶋元監督の通算打点記録を抜き去った。「あまりそういう(日米通算)考え方はしないし、監督は監督ですから」。数字は超えても、恩師への気持ちはトーリ監督と同じように何ら変わらない。

 この日は大差がついた6回の守備から退き、ソーシア監督は「あしたの状態次第で起用法を考える」と初の2試合連続守備の可能性を否定しなかった。12日(日本時間13日)は36歳の誕生日。あと1本に迫るメジャー通算150本塁打で自らの誕生日を祝う。

 ≪オズボーン 球場でギネス認定!≫5回表開始前にはロック歌手のオジー・オズボーンがグラウンドに登場。新作アルバムのタイトル名を観客に叫ぶことを呼びかけ、その音量と大きさの長さでギネス世界記録に挑戦した。1分間大歓声が鳴りやまず、見事世界記録に認定。ただ、その直後に松井の決勝打が飛び出し、ド軍ファンの大観衆もすっかり黙ってしまった。

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2010年6月13日のニュース