青木 高等技術で岩隈を攻略

[ 2010年6月13日 06:00 ]

<楽・ヤ>5回2死一、二塁青木が二塁に内野安打を放つ

 【ヤクルト4-1楽天】3安打したヤクルトの青木が高等技術で岩隈を攻略した。5回2死一、二塁の第3打席。フルカウントからのフォークを3球連続ファウルで粘った青木は、9球目の外角低めのフォークにテニスのバックハンドのような打ち方で中堅方向に打ち返し、二塁内野安打にした。

 「いいとこに飛んでくれた」。青木はそう振り返ったが、なぜヒットゾーンに運べたのか。「引っ掛けないために手首を返さない」が安打製造機のテクニックだった。
 左打者にとって外に逃げたり、落ちる球は引っ掛けてゴロになりやすい。「ゴロキング」と呼ばれたエンゼルス・松井もこのパターンだ。打撃ではインパクトの瞬間に手首を返すのが通例だが、このケースでは手首を返すと左手でこねるような形になり、バットは右方向に向きながらボールの上っ面を叩いてしまうことが多い。結果的に引っ掛けたゴロになる可能性は高くなる。しかし青木は手首を返さないからフラットに打ち返せた。
 ただ当てただけでは投ゴロになってしまったが、青木は重心を低く構えるため下半身の力がバットにも十分伝わり強い打球となり岩隈の頭を越えていった。この日は低めの制球が抜群の岩隈に対して「ちょっと意識した」といつもよりもさらに重心を下げた打撃フォームで臨んでいたことも安打の要因となった。
 青木との勝負に力を使い切った岩隈は、続く田中に制球を乱して逆球を決勝の遊撃内野安打とされ、ガイエルにはフォークが落ちずに左前打を許して3点を勝ち越された。すべては青木の一打が流れを変えた。

 ≪石川 エース対決に勝利し2勝目!≫ヤクルトの石川が6回1失点で2勝目を挙げた。毎回の10安打を浴びながら岩隈とのエース対決に勝利。直球は最速145キロを計測し「岩隈なので先制されないように投げた。スピードガンは当てにならないけど、思い切り腕を振れた」と振り返った。チームは3月30日以来となる今季2度目の3連勝。5位・横浜にゲーム差なしと詰め寄り、きょうにも最下位脱出する。小川監督代行は「石川が要所を抑えてくれた」と感謝した。

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2010年6月13日のニュース