【陸上】100m障害・福部真子「フラッシュバックする」世界新の残像を力に日本新V

[ 2022年9月26日 11:02 ]

全日本実業団対抗陸上選手権最終日 ( 2022年9月25日    長良川競技場 )

「12.73」の電光掲示板とともに写真に納まる福部
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 女子100メートル障害の決勝(追い風1・1メートル)が行われ、福部真子(日本建設工業)が日本新記録となる12秒73をマークして優勝した。自身の持つ日本記録を0秒09更新した。

 風を考慮して、スタートとゴールの位置が予選から反対となった中で臨んだ決勝。走る前は「追い風参考記録になったら嫌だな…」という思いがあったというが、号砲が鳴ってから一気に加速。隣のレーンだったライバルの青木益未(七十七銀行)らをグングン引き離した。

 「狙っていた(12秒)70台が出てうれしいのと、後半にハードルを足に当ててしまったので。まだまだいけるという手応えがあっての(12秒)73なので、うれしさが大きいです」

 7月の世界選手権で12秒82の日本記録を叩き出した。ただ、同じレースでトビ・アムサン(ナイジェリア)が12秒12という世界新記録を樹立した。「速すぎて…。途中、笑っちゃいそうになるぐらい速かった」。当時、そう語っていたスピードを肌で感じたことが、今に生きている。

 「(世界選手権後は)いつもスタートで腰を上げた瞬間に(あのレースの感覚が)フラッシュバックする。バッと前に行かれる感覚が…。(ハードルの)3台目から一気に離されるのも、鮮明に覚えている。(今は)セット、と言われたときからずっと、斜め前に(選手が)いることを意識してやれている。そこが良いのかなと思います」

 飛躍的に記録を伸ばす今季。接地などの細かな部分でも自分の走りを把握しており「ロボットのような、試合でも練習でも同じ動き」ができるようになってきており、それも好結果につながっている。

 これで来年8月の世界選手権(ブダペスト)の参加標準記録(12秒78)も突破。次戦は10月の国体で女子100メートルに出場する予定となっている。

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2022年9月26日のニュース