【玉ノ井親方 視点】若手に見習ってほしい玉鷲の「3年先の稽古」

[ 2022年9月26日 05:30 ]

大相撲秋場所千秋楽 ( 2022年9月25日    両国国技館 )

高安(右)を押し出しで破る玉鷲(撮影・郡司 修)
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 熱戦を期待したが、玉鷲の完勝だった。賜杯を懸けた一番。右で高安の左はずを押して、さらにもう一度頭から当たって突き上げ押し切った。高安は真っ向勝負の力士。迷わず思い切り当たることができたのも良かった。突き押しのお手本のような取り口だった。

 37歳。もともと丈夫な体に加え、地道な努力の成果でその馬力は衰え知らず。師匠の片男波親方(元関脇・玉春日)は普段から四股、てっぽうをよくやっていると言っていたが、地味な稽古をこつこつと続けるのは簡単なことではない。相撲界には“3年先の稽古”という言葉がある。毎日しっかりと稽古をすることで、三年後にその貯金が生きてくるという意味。玉鷲はまさにそれを実践。若手にはその姿勢をぜひ見習ってほしい。

 高安は敗れはしたが、今場所の内容は自信につながる。良い時の立ち合いの当たりと相手をはね上げる力強い出足が戻ってきた。来場所も活躍が期待できるだろう。(元大関・栃東)

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2022年9月26日のニュース