蝉川 涙のツアー初優勝、中島に続くアマ史上6人目 攻めの信条貫く

[ 2022年9月26日 05:20 ]

男子ゴルフツアー パナソニック・オープン最終日 ( 2022年9月25日    兵庫 小野東洋GC=7113ヤード、パー72 )

ウオータースプラッシュの祝福に悲鳴を上げる蝉川(撮影・井垣 忠夫)
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 首位から出たアマチュアの蝉川泰果(せみかわ・たいが、21=東北福祉大4年)が、地元の兵庫でツアー初優勝を飾った。混戦を抜け出した13番からの5連続バーディーなど8バーディー、2ボギーの66とスコアを伸ばし、通算22アンダー。アマチュアの優勝は昨年のこの大会を制した中島啓太に続く6人目。同一大会を2年連続でアマチュアが制するのは初めて。プロ3年目の岩崎亜久竜(あぐり、24=フリー)が通算21アンダーで自己最高の2位に入った。

 最終18番で2メートルのパーパットを左に引っかけ苦笑い。しかし、それも一瞬。30センチのウイニングパットを沈めた蝉川の顔は涙でくしゃくしゃになっていた。

 「優勝が目の前という感情が湧き上がってきて…。涙を我慢してたんですけど…。学生のうちに優勝できると思っていなかった」

 グリーン脇では「いつか追いつきたい」と背中を追った昨年のこの大会の覇者で前アマチュア世界1位・中島が待っていた。歓喜の抱擁を交わすと、さらに涙があふれた。

 スタート直前、トイレで手を洗ったが、それでも手汗が止まらないほど緊張していた。信条の「アグレッシブなゴルフ」を捨て1番の第1打に3Iを持とうとした蝉川を大学の1年後輩・中村凜キャディーが「ダメです」と制止。この一言でわれに返った蝉川はアマツアー最少の61を記録した前日同様14ホール中12ホールで第1打に1Wを選択。16番では残り135ヤードまで運んだ第2打をPWでピン右3メートルにつけてバーディーを奪うなど攻撃ゴルフを展開。13番からの5連続バーディーで一時4人が首位に並ぶ混戦を抜け出した。

 初めて最終日最終組を経験した4月の関西オープンで77を叩き、17位に敗れて号泣。9月の世界アマチュアチーム選手権でも最終日に5打差逆転を許した。この日も「もしかしてまた…」との考えが頭をよぎったが、不安を力でねじ伏せた。

 年内のプロ転向を前に「プロゴルファーはエンターテインメントだと思います」と持論を披露した蝉川。最終日平均322・5ヤードを記録した飛びを武器にした攻撃ゴルフで、その名を世に広める。

 《大学在学中にプロ転向予定》蝉川はこの優勝により国内ツアー今季の残り試合と来季から2年のシード権を獲得したことで、大学在学中にプロ転向する予定だ。東北福祉大ゴルフ部主将でもある蝉川は今後、全日本大学選手権(10月25~28日、石川)に出場。プロデビュー戦は昨年ベストアマに輝いたマイナビABCチャンピオンシップ(11月3~6日、兵庫)か三井住友VISA太平洋マスターズ(同10~13日、静岡)が有力だ。

 【蝉川 泰果(せみかわ・たいが)】
 ☆命名 父・佳明さん(61)が英語圏でも通用するようにと命名。当初は「ジョージ」と考えていたがハンディキャップ5とゴルフ好きだったこともあってタイガー・ウッズの「タイガ」に落ち着いた。
 ☆生まれ 2001年(平13)1月11日生まれ、兵庫県加東市出身の21歳。実家は試合会場の小野東洋GCから車で約20分。
 ☆ゴルフ歴 トイザらスで買ったプラスチックのクラブで1歳から。壊れると泣き、アンパンマンの絵の付いたこのクラブを6、7セットは購入。4歳で本コースデビュー。小学3年から試合に出る。
 ☆戦績 大阪・興国高2年の17年に関西ジュニア優勝。東北福祉大3年時の21年関西アマチュア優勝、日本学生2位。同年12月にナショナルチーム入り。今年6月の下部ツアー、ジャパンクリエイト・チャレンジで史上5人目のアマチュア優勝。9月の世界アマチュアチーム選手権個人戦では2位に入る。
 ☆サイズ 1メートル75、77キロ。今年に入って体重は4キロ増。
 ☆夢 兵庫教大付小5年の時にテレビ番組で宣言した「世界4大メジャー制覇」。

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