異例の開幕10日前“前哨戦” 柔道・斉藤立が東京五輪金メダリストと乱取り

[ 2022年9月26日 19:39 ]

乱取りで激しい組手争いをする斉藤立(右)とルカシュ・クルパレク
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 異例の“前哨戦”だ!柔道の世界選手権(10月6~13日、タシケント)男子日本代表が26日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで会見に臨んだ。午前中には東京都内で稽古を公開し、100キロ超級代表で初出場の斉藤立(国士舘大)が、東京五輪金メダリストのルカシュ・クルパレク(チェコ)と乱取りを行った。

 日本が誇る最重量級のホープと、五輪3大会連続出場中で、16年リオデジャネイロ大会では100キロ級を制している2階級王者が異例の手合わせだ。乱取りが始まってから数本後のインターバル。斉藤はクルパレクの元へ歩み寄ると、「次、お願いします」と声を掛けた。五輪王者はこれを快諾。開幕が10日後に迫る中、本番でも実現の可能性がある対戦の前哨戦が始まった。

 両者ともに手の内は隠しつつ、組手争いや組んでからの技の掛け合いは真剣勝負そのもので、熱気と汗がほとばしった。きれいに技が決まる場面はなかったが、数本後にも手合わせ。乱取りを終えると正面を向き合い、深々とお辞儀し合って異例の前哨戦を終えた。

 午後の会見では「(2年後の)パリ五輪だけではなく、1試合1試合大切にして、一つの試合に自分の全て、命を懸けて勝ちにいきたい」と意気込みを語った斉藤。クルパレクとの乱取りの感想を求められると、「トリッキーで隅返し、関節技や寝技もうまい。警戒する選手だが、組んで投げる良さを生かして、本戦でも戦いたいなと思う」と対戦を熱望してみせた。

 大会第7日の10月12日に競技が行われる男子100キロ超級は、36人がエントリー。世界ランキングは斉藤の20位に対し、五輪後は今年7月のグランプリ・ザグレブ大会にしか出場がなく7位に終わっているクルパレクも15位で、シードを持たない。抽選によっては早期対戦の可能性もある両者。過去の五輪3大会では対日本人3戦3勝の“ジャパンキラー”に、日本柔道の威信を大きな背中に背負う20歳が挑む。

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2022年9月26日のニュース