玉鷲「邪魔しないように」涙なしの理由は他の力士への配慮 優勝一夜明け会見

[ 2022年9月26日 11:46 ]

優勝一夜明け会見を行った玉鷲(日本相撲協会提供)
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 大相撲秋場所で史上最年長優勝を果たした37歳10カ月の幕内・玉鷲(片男波部屋)が26日、一夜明け会見を行った。

 2度目の優勝から一夜「ドキドキがずっと続いて」と興奮状態であまり寝られなかったという。届いた祝福のメッセージは約150件。「まだ返信できてないです。大勢の人いるので今日1日かかると思います」。激動の15日間を終えても、まだまだ忙しそうだった。

 1差決戦を制して優勝を決めた千秋楽の高安(32=田子ノ浦部屋)戦は、強い気持ちで臨んでいた。「最初に勝負決めなくちゃと思いました。2回目はないと思い込んで1回目でしっかり決めようと」。優勝決定戦にもつれ込むことは考えず、見事に一発で決めた。「自分の一番良い形で前に出る、それしかないと思って一気に止まらず、自分のことを信じてよかったです」。大一番で自分の相撲を取りきった。優勝を決めた直後も表情はあまり変えなかった。「次の相撲があるので邪魔しないように、自分の心を静めていこうと」。涙なしの理由は、自身より後に出番のある力士たちへの配慮だった。

 史上最年長優勝を成し遂げたこの日、時を同じくしてドイツ・ベルリンで男子マラソンのエリウド・キプチョゲ(37=ケニア)が2時間1分9秒で世界新記録を樹立した。キプチョゲは玉鷲と同じ84年11月生まれの37歳10カ月。それを聞いた角界の鉄人は「知らなかったです。凄いですね」と驚いた。「同じ気持ちじゃないですか。若手に負けたくない、年は関係ないという気持ちですね」と、世界で活躍する同い年のアスリートに共感した。

 大きな記録を打ち立てた場所を終え、1週間の休みをどう過ごすか問われると「いつも通りの日にしたいですね。それが一番幸せです」と答えた。家族を愛する2児の父。「公園で遊ばせたり、普通の1日を」と家族で過ごす休日を楽しみにしていた。

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2022年9月26日のニュース