大島親方「玉鷲に抜かれてうれしい」モンゴルの37歳V先輩が祝福

[ 2022年9月26日 05:30 ]

大相撲秋場所千秋楽 ( 2022年9月25日    両国国技館 )

八角理事長(右)から賜杯を受け取る玉鷲
Photo By 代表撮影

 最年長優勝記録がすぐ破られるのは嫌だったが、もう何年もたっているので、それに対するこだわりは全くなかった。逆に同郷の玉鷲に抜かれたのはうれしかった。

 彼が長持ちなのは、相撲のスタイルが関係していると思う。突き押しが基本のため、四つに組んで投げを打ち合うタイプより体への負担が少ない。ケガもしづらい。片男波部屋は関取が玉鷲1人で、力士も4人と稽古相手が少ない。それでも本場所でこれだけの結果を残せるのは、普段から基礎運動をしっかりとやっていて、工夫して稽古に励んでいる成果だろう。

 家族の存在も大きい。自分もそうだったがある程度の年齢になると子供ができて家族が増える。それが、物凄く励みになる。気持ちも若い。周りからベテランと言われると年寄りみたいな感じになるが、それで成績が出ると逆にどんどん気持ちが乗っていく。自分の時も日に日にテンションが上がっていった。

 モンゴル出身力士は16、17歳で初めて相撲を取る場合が多い。モンゴルの冬は寒さが厳しいので、学校ではバスケットなどの室内競技をやる生徒が少なくない。相撲以外の競技で体を鍛え、ある程度体が出来上がってから入門してくるため、ケガをするリスクも少ない。玉鷲の勢いは、まだまだ続くだろうと期待している。(元関脇・旭天鵬)

 ◇大島 勝(おおしま・まさる=本名・太田勝、元関脇・旭天鵬)1974年9月13日生まれ、モンゴル・ナライハ出身の48歳。大島部屋に入門し、92年春場所初土俵。96年春場所に新十両に昇進し、98年初場所で新入幕。12年夏場所で37歳8カ月で初優勝を果たした。年6場所制以降で初めて40歳関取となり、15年名古屋場所で引退。引退後は年寄「大島」を襲名し、17年6月に友綱部屋を継承。今年2月に大島部屋に改称。

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2022年9月26日のニュース