【玉ノ井親方 視点】若隆景は吹っ切れた。9勝以上で来場所の大関獲りにつながる

[ 2022年5月16日 20:52 ]

大相撲夏場所9日目   〇若隆景(はたき込み)貴景勝● ( 2022年5月16日    東京・両国国技館 )

貴景勝(右)をはたき込みで破る若隆景(撮影・久冨木 修)       
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 若隆景の闘志が伝わる一番だった。勝因は休まず前に出て、先に貴景勝に引かせたことだ。何度も上体を起こされそうになりながらも、必死にこらえ顎を上げなかったのが良かった。先に大関を引かせていたので、はたきもよく効いた。

 師匠の荒汐親方(元幕内・蒼国来)によれば、場所前は若元春や荒篤山らと1日20番以上稽古して、これ以上ない仕上がりだったという。だが稽古場と本場所では勝手が違う。相手も研究してくる。立ち合いで“待った”をされるケースもある。呼吸が合わずに仕切り直しをすると集中力が途切れる。一つ歯車が合わなくなると考え込んで悪循環に陥ってしまう。

 それが大関戦になって開き直れたのだろう。若隆景らしい前に出る粘り強い相撲が取れた。今場所9勝以上を挙げれば、来場所の大関獲りにもつながる。ここからが正念場だ。(元大関・栃東)

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