17歳・宮田が逆転新女王 世界選手権代表決めた!日本女子新エースに名乗り

[ 2022年5月15日 05:30 ]

体操 NHK杯第1日 ( 2022年5月14日    東京体育館 )

<体操NHK杯第1日>段違い平行棒の演技をする宮田笙子(撮影・小海途 良幹)
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 4月の全日本個人総合を持ち点とする個人総合女子で、宮田笙子(17=鯖江スクール)が合計160・029点をマークして逆転で初優勝し、世界選手権(10~11月、英リバプール)代表に決まった。高校生のNHK杯制覇は15年の杉原愛子(当時梅花高)以来7年ぶり。2位に入った笠原有彩(17=レジックスポーツ)、3位の山田千遥(19=朝日生命ク)も世界選手権切符を獲得した。

 鯖江高3年の宮田が日本女子の新エースに名乗りを上げた。全日本女王の笠原との“17歳対決”を制して逆転優勝。宮田は「全日本ではミスがあったので、優勝したことよりも4種目で自分が思っていた通りの演技ができたことがうれしい」と声を弾ませた。

 身長1メートル51と小柄だが、強い脚力を生かしたダイナミックな演技が持ち味。全日本では段違い平行棒、平均台で落下するミスがあり、2位。NHK杯までの3週間は、この2種目に重点を置いて「何度も通し練習した」。1種目目の跳馬で14・266点の高得点をマークして笠原との差を詰めると、段違い平行棒では全日本で落下した離れ技の「トカチェフ」を開脚から難度の高い閉脚に変更して成功。平均台もノーミスの演技で首位に浮上した。最後の床運動は難度を下げたが、トータルの得点は田中光強化本部長(49)が「世界で戦う基準」とした54点をただ一人超えた。

 京都市出身で体操のために鯖江高に進学。田野辺満監督(52)は「筋反応が速く、柔軟性も脚力もある」とそのポテンシャルの高さを評価する一方で、「精神的な甘さがあった」と振り返る。だが、東京五輪代表の村上茉愛さんや畠田瞳さんらが引退し、「日本を引っ張る存在に」の自覚も芽生えて成長した。今大会では封印したが、床運動でH難度の「シリバス」も持つ17歳。パリ五輪予選を兼ねる秋の世界選手権へ「団体で貢献できるように、自信を持って臨めるように頑張っていきたい」と意気込んだ。

 ◇宮田 笙子(みやた・しょうこ)2004年(平16)9月17日生まれ、京都市出身の17歳。4歳から体操を始め、ジュニア時代から国際大会を経験。中3の10月に福井県鯖江市内の中学に転校し、田野辺監督の指導を受けるために鯖江高に進学。昨年の全日本個人総合は36位、種目別跳馬2位。インターハイでは個人総合で優勝した。得意種目は跳馬と床運動。1メートル51。

 ▽体操世界選手権女子代表選考 代表は5人。個人総合の全日本選手権の予選、決勝の合計得点を持ち点にNHK杯で争い、上位3人を自動的に選出。残り2人は6月の全日本種目別選手権(東京)の予選と決勝の結果も踏まえて決める。NHK杯で代表入りした3人との組み合わせで団体総合の得点が最も高くなる2選手を選び、1人はNHK杯10位以内が対象となる。

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