【玉ノ井親方 視点】本命・照ノ富士が1差に後退 立て直すには“半歩”前に出る立ち合いの踏み込みが必要

[ 2022年5月15日 19:35 ]

大相撲夏場所8日目   ●照ノ富士(寄り切り)隆の勝○ ( 2022年5月15日    東京・両国国技館 )

<大相撲5月場所8日目>隆の勝に寄り切りで敗れた照ノ富士(右)(撮影・西海健太郎)
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 今場所の照ノ富士は押し相撲の相手に分が悪い。元々抱えている膝の不安に加え、先場所は右踵のケガで途中休場。相撲勘が戻り切っていない上に、足のケガもあり、一気に前に出られると踏ん張り切れない印象だ。

 隆の勝戦も一方的に押し込まれた。立ち合いで当たってから、右を差せないまま安易に左上手を狙ったことも展開を悪くした。一瞬まわしに手がかかったものの、すぐに腕(かいな)を返されまわしを切られる。そのまま体を密着され、前に出られて土俵を割ってしまった。

 あの場面で上手を欲しがらずに、もう一度体をぶつけて当たるか、右から跳ね上げていけば流れも変わったはずだ。まわしを取れば、力を出せるという自信があるのかもしれないが、その分手が伸びて上体は浮く。そうなると押し相撲の相手には、隙を与えてしまうことになる。

 中日を終えて3敗は想定外。後半戦に向けて立て直すには、まず立ち合いを見直すことだ。一歩でも半歩でも良いからもっと踏み込むようにすれば、状況が変わるきっかけをつかめるはずだ。
 一方の隆の勝は自分の相撲を取り切れた。今場所は立ち合いからの出足が良い。あす9日目は御嶽海戦。大関を相手に前に出る相撲を取って勝てれば、後半戦はさらに乗っていけそうだ。(元大関・栃東)

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2022年5月15日のニュース