【玉ノ井親方 視点】若隆景の考え抜かれた小手投げ

[ 2022年5月8日 21:58 ]

大相撲夏場所初日 ( 2022年5月8日    両国国技館 )

<大相撲夏場所初日>北勝富士(右)に寄り切りで勝利した若隆景(撮影・島崎忠彦)
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 本人にすれば、もっと動いて取りたかったに違いない。以前に比べ前に出る力が格段についた若隆景だが、この日は馬力のある北勝富士が相手。安易に押そうとすると逆に押し込まれる可能性があった。そこで最初から組みにいった。右を差して左をおっつけながら簡単に押されないようにけん制。左がちょうど相手の右肘をきめるような形になり、最後は小手投げがうまく決まった。よく考えた相撲だった。初日の相撲としては上出来だった。

 先場所初優勝し、今場所は大関獲りの足場固めとなる大事な場所。初日はいつも以上にプレッシャーがかかったはずだ。貴景勝や正代、照ノ富士のような上位力士でも、初日は思うように体が動かない。その中で良い内容で勝つことができたのは大きい。ただ、大事なのは序盤の5日間。そこで押し相撲の力士相手にどんな相撲を取れるかが、今場所を占う鍵になりそうだ。(元大関・栃東)

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2022年5月8日のニュース