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花園、5季ぶりの1部昇格も視線はその先へ 日本一へ世界的司令塔クーパー「これが始まり」

[ 2022年5月8日 18:30 ]

ラグビーリーグワン2部 1~3位順位決定戦第3節   花園34-22相模原 ( 2022年5月8日    秩父宮ラグビー場 )

<花園・相模原>優勝し、自動昇格を決めて喜ぶ花園の選手たち(撮影・篠原 岳夫)
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 花園(旧近鉄)が2017年シーズン以来、5季ぶりの1部昇格を決めた。花園はリーグ戦で今季2戦2敗と苦手にしていた相模原(旧三菱重工)を34―22で撃破。リーグ戦上位3チームで争う順位決定戦を連勝して2部優勝を飾った。NTT傘下2チームの再編により来季3部スタートが見込まれる1部の大阪(旧NTTドコモ)に代わって入替戦を戦うことなく自動昇格した。

 1部昇格という悲願達成の瞬間も花園はスローガンに掲げる「近鉄漢(キンテツマン)」らしく皆、紳士然として振る舞った。

 「われわれは勝つべくして勝った。特別な瞬間ではあるけど、決して大げさに騒ぐことじゃない」

 オーストラリア代表75キャップを誇る世界的10番クウェイド・クーパー(34)の呼び掛けで円陣を組み、高ぶる感情をコントロール。目の前でうなだれる敗者への敬意を忘れることなく静かに喜びを分かち合った。

 リーグ戦ではフィジカル的な強みを前面に出した中央突破を封じられ、相模原に連敗。この日はクーパーを起点に両エッジ(サイド)にボールを散らし、中央を固める相模原の守備陣をほんろう。戦略通り外に張ったWTB片岡涼亮(24)とロックのサナイラ・ワクァ(26)がそれぞれ2トライを挙げ、シーズン通算11。2部トライ王のタイトルを分け合う活躍を見せた。

 1929年創部。リーグワンで神戸(旧神戸製鋼)に次ぐ2番目に長い歴史を持つ名門も2017年シーズンに2部に降格して以降は外的要因からひたすら耐えるシーズンを送ってきた。

 前身トップリーグの2部(チャレンジリーグ)で好成績を残しても2019年シーズンはコロナ禍のため、昨シーズンはリーグの制度移行期のため入替戦そのものが実施されなかった。新リーグが発足した今シーズンは当初「花園1部案」もあった。チームは1部スタートに向けて準備を進めていたが、その案も明確な説明がないまま途中で立ち消えになってしまった。

 26歳の若さでチームを引っ張る野中翔平主将は花園の1部時代を知らない。同大4年の時、ラグビー部の納会に行く途中で2部降格を知ったという。

 「トップリーガーになるつもりで選んだチームですから」とようやく念願の1部昇格を叶えたが「僕たちの理想はもっともっと高いところにあるんで」とその視線はさらにその先を見つめている。

 80得点で2部得点王に輝いたクーパー、ウィル・ゲニア(34)のオーストラリア代表ハーフ団とは既に来季も契約継続で合意している。2019年シーズンにゲニアとともに近鉄に入団したクーパーは「試合の後“この3年は旅みたいなものだったね”とウィルと話した。この間に私自身、一人の人間として成長したと思う。チームのみんなが家族みたいに思えてこみ上げてくるものがあった」と話し、さらに「この旅に終わりはなくこれからが始まりだと思ってる」と続けた。

 日本一を目指す花園の挑戦が始まった。

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