広中 女子連覇、初の世界陸上代表内定 笑み浮かべ「確実に3位以内に入ろうと思った」

[ 2022年5月8日 05:30 ]

陸上 日本選手権1万メートル ( 2022年5月7日    国立競技場 )

第106回日本陸上競技選手権大会の女子10000メートル、日本人トップでゴールする広中(撮影・会津 智海)
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 女子は東京五輪7位入賞の広中璃梨佳(21=日本郵政グループ)が31分30秒34で2連覇を達成した。既に世界選手権(7月、米オレゴン州)の参加標準記録(31分25秒00)を突破しており、今大会3位以内の選考条件を満たして自身初の世界選手権代表に内定した。31分58秒97で3位に入った五島莉乃(24=資生堂)も条件をクリアし、世界選手権代表を決めた。

 万全ではなくても、広中が強さを見せつけた。序盤は五島の後ろにつけてレースを進め、7000メートルあたりで給水してからペースを上げる。帽子を放り投げて気持ちにスイッチを入れると、ラスト1周でスパートをかけて独走。「確実に3位以内に入ろうと思って走った。その結果、2連覇ができて良かった」と笑みを浮かべた。

 約1カ月前には貧血などの症状から体調不良に陥り、調整は難しくなった。日本選手権に向けて本格的に練習を再開できたのは2週間前。「1カ月前は、このレースに立てるのかどうかという状況だった」と振り返る。ただ、苦しい状況の中でもできる限りのトレーニングを消化。改めて栄養補給などにも神経を配り、この舞台にたどり着いた。

 自己ベストの31分0秒71で日本勢25年ぶりの入賞を果たした東京五輪と同じ国立。今回は有観客とあって両親らも応援に来ていた。内定した世界選手権に向けて「パリ五輪へのステップとして、どこまで目標に近づけていけるのか」と語った21歳。6月には5000メートルの日本選手権にも出場し、ダブル内定を目指す。

 《不破ちゃん代表絶望的 調整不足で欠場》女子で日本歴代2位の30分45秒21の記録を持ち、世界選手権の参加標準記録を突破していた不破聖衣来(19=拓大)は「右梨状筋」(臀部=でんぶ)の故障による調整不足のため欠場した。今大会の順位が世界選手権の代表選考で重視されるため、不破の代表入りは絶望的となった。この日に女子の3枠目は決まらなかったが、山崎一彦強化委員長は「この日本選手権に出ていないと評価は難しい」と説明した。

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2022年5月8日のニュース