二所ノ関親方 大相撲夏場所のキーマンは若隆景 2場所連続Vへ照と御嶽の「分厚い壁」破れ!

[ 2022年5月8日 05:30 ]

大相撲夏場所の土俵祭りに出席した二所ノ関親方
Photo By 共同

 大相撲夏場所は8日、東京・両国国技館で初日を迎える。今年は2場所連続で関脇が賜杯を抱き、横綱・照ノ富士(30=伊勢ケ浜部屋)も休場明け。波乱含みのなか、スポニチ本紙評論家の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は優勝争いのキーマンに、春場所で初優勝した関脇・若隆景(27=荒汐部屋)を挙げた。7日は土俵祭りが行われ、関係者が15日間の安全を祈願した。

 今場所から審判部委員として土俵下から勝負を見守ることになりました。いささか緊張気味ですが、職務をしっかりと全うしていきたいと思います。

 今場所もやってくれるだろう、いや、やってほしい。個人的な期待もこめて、若隆景を優勝争いの中心に推したい。最近は横からの揺さぶりが減って、大きな相手にも正攻法で勝てるようになりました。相撲に力強さが備わると顔つきも良くなる。表情からも充実ぶりが伝わってくるし、今後人気も出そうなタイプです。上位のマークはきつくなり、研究はされるでしょう。それでも、それをはね返せる強さと精神力がある。関脇の地位は、前半に自分より下位の力士との対戦が組まれます。言い換えれば、そこで星を落とすようでは優勝も遠くなる。序盤からパワー全開で突っ走ってほしいものです。

 「分厚い壁」克服も大きなテーマです。若隆景の場合、照ノ富士には不戦勝を除けば8回対戦して一度も勝てず、御嶽海にも2勝7敗。今場所の上位2人にどう立ち向かうかがカギとなります。横綱は小兵相手の対処が巧みですが、その壁を破ってこそ「本物の」若隆景となれるとみています。

 照ノ富士は出場した以上は綱の責任を果たしてくれると信じたい。膝の状態はここ数場所良くないですが、これまで数々の修羅場を経験し、克服してきた男です。合同稽古ではもうひとつだったかもしれませんが、その後の2週間できっちり仕上げて出てくる。それが私の見立てです。高安は優勝決定戦を戦った経験が悪い方に出ないことを祈ります。春場所の終盤は自分を信じ切れず、いつもと違うことをしてしまった。優勝してもおかしくない実力があります。自分の力を信じて普段着の相撲を取ってくれると期待します。

 大関2場所目の御嶽海は「最低でも10勝」のコメントに好感が持てます。正代、貴景勝もコンスタントに2桁を挙げることが大前提。それができないうちは大きな期待は抱けません。

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