【田中刑事、語る(2)】全試合に「何かしらエピソード」一瞬一瞬が「これからの糧に」

[ 2022年4月29日 17:29 ]

<プリンスアイスワールド>引退会見で用意してきた手紙を読み上げる田中刑事(撮影・木村 揚輔)
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 フィギュアスケートのアイスショー「プリンスアイスワールド」の横浜公演が29日、KOSE新横浜スケートセンターで開催された。今月に自身のSNSで現役引退を表明していた男子で18年平昌五輪代表の田中刑事(国際学園)はフォーマルな装いで「ショパンの夜に」を滑った。華麗なスケーティングだけでなく情感あふれる表現力でも魅了した。

 引退会見での一問一答は以下の通り。

 ――幸せな競技人生と言っていたが、改めて振り返って。
 「本当に良いことばかり続いていたのは本当に一瞬だけだったんですけど。一瞬一瞬、本当に1年に1、2回あるかぐらい楽しいな思える瞬間があったんですけど。でも、その中で、ほとんどは苦しい時間だったと思うんですけど。でも、その中で折れずに最後まで、ここまで続けてこられたのはこれからの糧になる」

 ――一番印象に残っているプログラムや大会など思い浮かぶものはあるか。
 「その質問も一番言われるだろうなと思って、用意しようとしていたんですけど。何も思い浮かばなかったです(笑い)。どの試合も何かしらエピソードがあって。辛い思いをしてその場に立って、悪かった試合ですら何か残ってきたものがたくさんあったので。その質問だけは思い浮かばなかった。どの試合も思い出を語れと言われたら語れるので、また時間がある時に、あの試合どうでしたかと聞いていただけると、すぐに思い出せます」

 ――引退後、少し時間がたつ。スケーター仲間からの連絡などは。
 「引退をするということは、選手の中では全日本選手権終わった瞬間に今日で終わりと仲間うちでしゃべって。その時に選手同士で軽くあいさつした程度だったので。僕自身、次の道っていうのをしっかりと決めることができたので。全日本選手権悔しかったんですけど、次どうしようというのが、自分の中ではっきりしていた分、強く一歩を踏めた感じです」

 ――五輪の思い出は大きいと思うが、それを振り返って。
 「なんか意外と薄いんですよ…思い出が(笑い)。ぐらい、他の試合がちゃんと思い出があって。オリンピックも思い出がないわけではなくて。オリンピックで得たものは凄く…あの光景、リンクに立った時の光景を思い出しますし。あの時は今でも忘れないです。やっぱり、それだけじゃないですし。あの試合と同じくらい、いろんな試合で声援をいただけたので。一番は決められないですし、オリンピックもかすんでしまうほど、他の試合でも応援されてたことを実感しながら滑っていた」

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2022年4月29日のニュース