名大卒・上田 偏差値並み「66」デビュー!超名門東海中・高経た秀才ゴルファーが5差9位発進

[ 2022年4月29日 05:30 ]

男子ゴルフツアー 中日クラウンズ第1日 ( 2022年4月28日    愛知県 名古屋GC和合C=6557ヤード、パー70 )

1番でティーショットを放つ名大出身の上田(撮影・井垣 忠夫)
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 愛知・東海高、名大と高学歴を誇る上田敦士(24=フリー)がツアー競技のプロデビュー戦で上々のスタートを切った。1イーグル、4バーディー、2ボギーの66をマーク。異色の旧帝大卒ゴルファーが首位と5打差9位で発進した。2週連続優勝を狙う桂川有人(23=国際スポーツ振興協会)は4打差5位の好位置。アンソニー・クウェイル(27=オーストラリア)が61を出し首位に立った。

 上田が満点のプロ第一歩を踏み出した。主催者推薦でチャンスを得たスタートホール。残り95ヤードの第2打が、ワンバウンドしてカップに消えた。「急に入ったのでびっくりした」。本人も驚くイーグルで幕を開けると、続く2番はティーショットを右に曲げたが、木に当たったことでOBにならず、バーディー。5番では8メートルを入れてスコアを伸ばした。

 「ラッキーなことに推薦をしてもらったので、やるだけでした」

 プロゴルファーらしからぬ経歴だ。「地頭が良かったみたい」と自負する通り、東海中・高、名大といずれも超名門。中学からゴルフを始めたが、当然、プロを夢見ることはなかった。だが、大学2年の時に今大会に出場(予選落ち)し「みんなに見られてプレーするのが楽しい」と開眼。東京五輪のアーチェリー男子団体で銅メダル獲得に貢献した武藤弘樹は東海中・高で、19年に中日に育成ドラフト1位で指名された松田亘哲は名大で同学年。進学校ながら、スポーツにも励む面々から刺激をもらい、プロを目指すことにした。20年にプロに転向。名大では初、東大など全国に7つの旧帝大に枠を広げても、ジュニアゴルファー育成組織「坂田塾」で有名な坂田信弘(京大中退)ら数少ない異色のゴルファーが誕生した。

 経済学部を6年かけて今春卒業。ようやくゴルフに専念できているが、予選会で成績を残せなかったため、当面は出られる試合がない。大阪市出身で年20回も甲子園に通っていた阪神ファンでもある24歳は「強いと(テレビを)見ちゃうけど、今年は弱いので練習ができている」と自信を示す。まずは予選通過が目標。自分で選んだ厳しい道をたくましく歩く。

 ◇上田 敦士(うえだ・あつし)1997年(平9)6月19日生まれ、大阪市出身の24歳。16年中部学生優勝。アマチュアとして17、19年の中日クラウンズ、18年東海クラシックに出場し、予選通過なし。20年8月にプロに転向し、21年にプロテスト合格。QTランクは425位。1Wの飛距離は270~280ヤード。家族は両親、兄。1メートル66、66キロ。

 ▽東海高―名大 東海地区のエリート街道。東海高は元首相の海部俊樹氏、タレントの林修らが卒業生で、21年度実績では東大に31人、京大に31人、名大に59人が進学。旧帝大の一つである名大はソニー創業者の盛田昭夫氏、ノーベル物理学賞受賞の益川敏英氏、マラソンで東京五輪に出場した鈴木亜由子らが卒業生。

 【主な旧帝大出身のプロスポーツ選手】
 ☆野球 東大から17年ドラフト7位で日本ハムに入団したヤクルト・宮台康平投手が現役。14年ドラフトで田中英祐投手が京大から同2位でロッテ入り。

 ☆サッカー 東大からDF久木田紳吾が11年からJ2岡山で、MF添田隆司が15年からJ3藤枝でプレー。

 ☆相撲 大学名をしこ名に入れた舛名大は06年入門で最高位三段目。東大出身の須山穂嵩が木瀬部屋から今月新弟子検査を受検し、体格基準をクリアした。

 ☆ボクシング 東大卒で在学中に公認会計士の資格を取得した柏野晃平が14年にデビュー。

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