母がウクライナ人、静岡WTB中井 平和祈るトライ「喜んでくれる」

[ 2022年3月6日 05:30 ]

ラグビーリーグワン第8節   静岡24―30東京ベイ ( 2022年3月5日    江戸川 )

<東京ベイ・静岡BR>前半27分、静岡BR・中井(右)がトライを挙げる
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 父が日本人、母がウクライナ人の静岡WTB中井健人(25)が東京ベイ戦で今季初先発初トライをマークした。親戚も住む母の祖国がロシアの侵攻を受ける中、平和への祈りを込めてフル出場した。試合は東京ベイが30―24で勝ち、5連勝で1敗と首位をキープ。埼玉は大阪に66―10で大勝し、不戦敗による2連敗後に6連勝。トヨタも浦安を31―22で破り2敗を守った。

 左手のテーピングには、手書きの「PRAY FOR PEACE」(平和を祈ろう)の文字。ウクライナ人の母を持つ静岡WTB中井は、強い思いと願いをパフォーマンスに込めた。

 加入3季目で初先発した東京ベイ戦で前半27分、左隅にトライ。「当たり前にラグビーができる環境への感謝を体現するしかないと思っていました。母が喜んでくれると思います」。不安な気持ちを抑え、プレーに集中するよう激励してくれた母の思いに応えた。ウクライナ各所に暮らす親戚とは、連絡が取れ、無事を確認したというが「おびえながら生活していると思います」と心配は尽きない。自身も小学生時代に訪れるなど愛着が深い第二の母国。平穏な日々が戻ることを願いながら、プレーで親族を元気づけられるよう誓いを新たにした。

 《東京ベイは首位守る》東京ベイはFWに負傷者が続出する中、今季ブレーク中の大型プロップ、ヘルの初トライなどで前半を27―7とリード。後半の静岡の猛攻をかわして首位を死守し、CTB立川主将は「最後の15分はタフな状況で、一人一人が判断しながら勝ち切れた」と収穫を口にした。次節(11日)は東京SGとの1敗対決。SH藤原は「反則しないことを意識したい」とポイントを口にした。

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