妹・松村千秋が兄・雄太に勝利!谷田と北京挑戦権 カーリング混合ダブルス五輪最終予選切符獲得

[ 2021年9月21日 05:30 ]

カーリング 全農混合ダブルス日本代表決定戦最終日 ( 2021年9月20日    北海道稚内市みどりスポーツパーク )

決定戦第2試合で勝利し代表に決まり、喜ぶ松村千秋(右)、谷田康真組
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 “きょうだい対決”を制した妹が、22年北京五輪へ前進した。谷田康真(27=コンサドーレ)と組んだ松村千秋(28=中部電力)が、兄・雄太(31=コンサドーレ)と吉田夕梨花(28=ロコ・ソラーレ)のペアに連勝。1次リーグと合わせ通算3勝1敗とし、12月の北京最終予選(オランダ)に臨む日本代表に決まった。混合ダブルスでは日本初となる五輪出場を目指す。

 兄のラストショットが外れ、妹の北京ロードがつながった。2月の日本選手権の決勝で吉田夕・松村雄組に敗れ、悔し涙を流してから約7カ月。“きょうだい対決”でリベンジを果たした松村千が「今はホッとしています、勝てて…」と安堵(あんど)の涙を拭えば、パートナーの谷田も「言葉に表せないくらい最高の瞬間。勝ち切ることができてうれしい」と充実感に浸った。

 この日の第1試合を制し、王手をかけて迎えた第2試合。第5エンドに3点奪われ大ピンチに陥ったが、第6エンドに鮮やかに逆襲した。谷田の巧みなショットと猛スイープ、相手のミスもあってチャンスが到来。ラストショットを正確に決めて大量4点に導いた松村千は、「あの4点で、流れを引き戻せた」と笑みを浮かべた。

 負けず嫌いの妹にとって、兄との“きょうだいげんか”は日常茶飯事だった。「態度では勝っていたけど、年の差もあって勝てていなかった。返り討ちにされていた」と松村千は振り返るが、3敗すれば五輪への道が断たれる大一番では、返り討ちを許さない。「凄く楽しかった。今回は兄にも投げ負けていなかった」。態度だけでなく、技術でも上回った。

 松村千は中部電力で14年ソチ、18年平昌、22年北京と3度五輪に挑んだが、届かず。混合ダブルスで自身にとって悲願の、日本勢初の夢舞台のためには、14チームが争う最終予選で2位以内が必要。「しっかり準備して勝ち取りたい。負けられない戦いが続く」。最終予選は兄、谷田が所属するコンサドーレも出場。ともに夢切符を手に入れて、妹と兄で喜びを分かち合う。

 ◇谷田 康真(たにだ・やすまさ)1994年(平6)5月16日生まれ、北海道出身の27歳。小学5年で競技を始め、札幌学院大から4REALに加入。同チームを引き継ぐ形で発足したコンサドーレに所属。チームではセカンドを務め、日本選手権で連覇中。力強いスイープが武器。1メートル77。

 ◇松村 千秋(まつむら・ちあき)1992年(平4)10月25日生まれ、長野県出身の28歳。11歳でカーリングを始め、小諸商から中部電力に入社。現在はチームでサード。谷田とは19~20年から混合ダブルスでペアを組み、20年日本選手権で優勝。1メートル61。

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