大栄翔 全勝の新横綱・照ノ富士撃破、押し相撲の真骨頂「最後まで全力」貫く

[ 2021年9月21日 05:30 ]

大相撲秋場所9日目 ( 2021年9月20日    両国国技館 )

照ノ富士(左)を攻める大栄翔。寄り切りで破る
Photo By 共同

 平幕の大栄翔が、ただ一人全勝だった新横綱の照ノ富士を寄り切った。今年初場所の覇者が意地を見せて通算3個目の金星獲得。照ノ富士は横綱初黒星で金星配給したものの、1敗だった妙義龍が2敗に後退したため単独トップは変わらない。2敗はほかに平幕の阿武咲、隠岐の海、遠藤、千代の国。カド番大関の貴景勝は小結・高安を押し出し、初めて白星を先行させた。

 難攻不落の気配が漂っていた新横綱を、最高の相撲で攻略した。大栄翔は照ノ富士攻略のお手本のような内容で土をつけ「自分のこの押し相撲で向かっていった。気合が入った。本当にうれしい」と声を弾ませた。

 互角の立ち合いから下がりを取られ、動きが止まる。それでも絶対に引かなかった。「差されたり、まわしを取られたら話にならない。最後の最後まで全力だった」。右おっつけに左喉輪、右ハズで1メートル92の長身横綱を起こし、浅いもろ差しで寄り切った。差した両肘を張って返すことで小手投げを封じる細やかさも光る。八角理事長(元横綱・北勝海)は「こういう馬力のある人は怖い。大栄翔を褒めるべきだ」と価値ある金星を評した。

 今年初場所で初優勝し、大関獲りへつなげるはずが、三役に定着できず、ここ2場所は負け越し。ただ往年の麒麟児や富士桜、平成以降では貴闘力や嘉風ら、ツボにはまれば大物食いという押し相撲の真骨頂を発揮した。27歳の実力派は「思い切っていくしかない。自分の力を120%出すことが目標だった」と強い意志を実らせた。

 昨年4月から日大大学院で相撲部屋の発展方法などを学び、来春の修了に向けて修士論文を作成中だという。「学ぶことで考え方も、相撲も変わってくる」と語る異色の力士は“本職”で大仕事をやってのけ「本当に自信になる」。静かだった秋の土俵が一転、熱を帯びてきた。

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