夏冬パラ出場の二刀流・村岡桃佳は6位 陸上女子100メートル 夢の続きは22年の北京五輪へ

[ 2021年9月1日 20:46 ]

東京パラリンピック第9日 陸上女子100メートル(車いすT54) ( 2021年9月1日    国立競技場 )

<パラリンピック 陸上>女子100メートル(車いすT54)決勝、競技を終え笑顔の村岡(撮影・木村 揚輔)
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 陸上女子100メートル(車いすT54)の決勝が1日に行われ、18年平昌冬季パラのアルペンスキーで5個のメダルを獲得し、夏冬パラの二刀流出場となった村岡桃佳(34=トヨタ自動車)は16秒71で6位だった。

 午前中の予選で17秒10の予選10人中8番目のタイムで決勝に進んだ村岡は「決勝を目標にしていた。一つクリアできたのはうれしい」と充実した表情で話していたが、その目標の決勝で、好スタートからタイムを縮めた。

 4歳の時に脊髄炎を患い、両下肢機能全廃の障がいで車いす生活となった。チェアスキーは9歳から始め、中学2年から本格的に競技としてのパラアルペンスキーを開始。趣味程度でスキーをしていたという父・秀樹さんと一緒に手探りながらも懸命なトレーニングを積み、2018年平昌冬季パラリンピックでは女子アルペンスキー座位で大回転の金を含む5つのメダルを獲得した。

 将来の夢は「2020年東京パラリンピックに参加すること」だった。19年春から陸上競技を始め、アルペンスキーとの“二刀流”に挑戦。しかし、現実は想像を絶する過酷な日々だった。夏季の東京と冬季の22年北京出場へ練習や調整の難しさを実感。東京大会の1年延期により、陸上を継続するか悩んだこともあった。「しんどくて。なんで陸上をやるって言っちゃったんだろうって思ったこともあった。何度も心が折れそうになった」。今年の3、4月はスキーの大会へ出場して、翌週には陸上の大会とタイトな日程も経験した。

 そんな中、励みになったのは周囲からの「桃佳ならできるよ」という言葉。「自信になった。その言葉に応えたかった」と懸命にトレーニングに打ち込んだ。そして、5月10日。東京パラ日本代表に選ばれ「二刀流として諦めなくて良かった」。努力が報われた瞬間だった。

 今大会の抱負は「ベストを尽くして笑顔で終わりたい」だった。来年3月4日に開幕する北京冬季大会の代表にも内定している24歳。「10月くらいからアルペンのナショナルチームに合流して練習するというプラン」と夏から冬へ、準備を進めていく。

 ◇村岡 桃佳(むらおか・ももか)1997年(平9)3月3日生まれ、埼玉県深谷市出身の24歳。埼玉・正智深谷高―早大―トヨタ自動車所属。9歳でチェアスキーを始めた。中学2年で本格的に競技を開始し、初出場した14年ソチ大会では大回転で5位入賞。15年世界選手権の滑降で2位。18年平昌大会では女子アルペンスキー座位で大回転の金を含む5つのメダルを獲得した。19年から陸上競技に挑戦。

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